芽室町は9日、LINE公式アカウント上に「道路損傷通報システム」を追加する。LINEから匿名で道路の不具合などを通報するシステム。定期的なパトロールでは把握しきれない情報を収集することで、迅速な道路環境改善を図る。
従来の電話や手紙での通報は年に30件寄せられている。3年前から愛知県小牧市などを参考にシステム導入を構想。5月に町が公式LINEアカウントを開設したことから関係部署に掛け合い、実現した。
町道は920㌔以上もあり、市街地は1週間に1度、そのほかは2週間に1度の定期的なパトロールを実施している。手軽に通報してもらうことで道路の不具合の発見遅れを防ぎ、道路修繕などの円滑化や交通事故の未然防止を狙う。
道路損傷の発見者は、町公式LINEアカウントのメニュー左下のアイコンを選択し、専用フォームに発見日や状況を入力する。損傷箇所の写真は3枚まで送信可能。住所や道路名が分からなくても手軽に通報してもらうため、小学校など目印になる建物の入力に対応する。送信後は受け付け完了メッセージが来る。道路損傷のほか、カーブミラーの不具合や倒木なども通報できる。
通報データは町の担当者が閲覧できるデータベースに集約。町が現地で状況を確認し、道路の維持管理業者に詳細情報を提供する。1週間ほど環境土木課で試験運用中だ。住所や写真の間違いが疑われる場合の対応は、運用状況を見て検討する。
通報で判明した場所について、工事完了後にホームページ上での公表を予定している。今後は、公園遊具の破損などの通報システム導入を検討している。
橋本直樹環境土木課長は「散歩で道路の穴などを見つけたら手軽に通報してもらい、道路の安全につなげたい」と期待を寄せた。(帯広)
(北海道建設新聞2021年7月8日付9面より)