回転ずし大手のくら寿司(本社・大阪)は15日、道内初の店舗を札幌市内にオープンする。同社が全国展開を進める「非接触型」の店舗だ。これで全47都道府県での出店を達成。9月2日には道内2店舗目を八軒にオープンする予定で、岡本浩之広報宣伝IR本部長は「今後も道内での出店を拡大したい」と意欲を示す。
白石区のショッピングセンター、ラソラ札幌に開店。席案内や注文、精算、支払いという入店から退店の全プロセスが店員との接触なしで済む。
タッチパネルのQRコードを読み取るとスマートフォンのブラウザーから注文可能だ。皿はレーンから取る際にAIカメラが自動で検知するため、店員が数える必要はない。
北海道が全国最後になった理由として岡本本部長は、セントラルキッチン方式を採用しているため、配送の効率性などが障壁になったと説明。道内で複数店舗を出すめどが立ち、出店を決めた。
八軒の他にも道内で何店か計画。札幌都心部なども「条件の良いテナントに空きが出るなどすれば検討したい」とした。
現在は店舗近くに調理スペースを置く形だが、店舗数が5、6カ所と増えた際には、道内のセントラルキッチン建設も早い形で実現したいという。
国内店舗はラソラ札幌店を含めて490店。成長戦略として今後も年間25店舗以上の出店を続け、2030年度に国内700店、売り上げ2100億円の目標を掲げる。非接触型サービスやアプリでの来店予約といった一連の仕組み「スマートくら寿司」の完成を背景に、今後さらに出店を加速する計画だ。
(北海道建設新聞2021年7月15日付2面より)