ドルフィン形式で工期短縮
稚内開建稚内港湾事務所が発注した稚内港末広埠頭岸壁改良が、全日本建設技術協会の2020年度全建賞(港湾部門)に選ばれた。既存施設を活用したドルフィン形式で改良し、工期を通常の半分以下に短縮した点などが評価された。
全建賞は建設技術の活用や公共事業の推進で、優れた成果を上げた事業や実施機関などに贈られる。建設技術者で構成する同協会が毎年選定している。
同事業は、大型クルーズ船の寄港要請に対し、安全で円滑に係船できる施設整備が早期に求められていたため、既存岸壁の延長方向に係船柱2基や橋台1基、連絡橋3基を17―19年度にかけて新設した。
同開建は整備に当たり、寄港要請に早期対応するため既存岸壁構造を延伸する方法では工期やコストが膨らむことから、岸壁の延長方向に係船柱を新設するドルフィン形式を採用した。同開建によると2カ年での完成は、既存岸壁延伸と比べ半分以下になるという。
これらの工期短縮やコスト縮減が評価されての受賞となった。同開建が受賞するのは、18年度全建賞を受賞した鴛泊港本港地区島防波堤災復以来となる。(稚内)
(北海道建設新聞2021年7月21日付10面より)