ガイダンス機能拡充 遺構保存し森や沢を復元
洞爺湖町が整備を進めてきた高砂貝塚公園と入江・高砂貝塚館のリニューアルが完了した。高砂貝塚公園は遺構を保存し園路や駐車場を新設。ガイダンス施設の貝塚館は展示、体験学習機能の充実を図った。27日の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の審議を前に、真屋敏春町長ら関係者が施設の完成を祝った。

高砂貝塚公園(上)と入江・高砂貝塚館。貝塚館は右側が増築部
入江・高砂貝塚は、噴火湾を臨む高台にある入江貝塚と高砂貝塚の2史跡の総称で、世界遺産登録を目指す北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産。町は保存整備に向けて1998年に入江貝塚を公園化した。
高砂町62の高砂貝塚公園は2015年から6年をかけて森や沢を復元し、園路を新設。公園入り口に解説板を設置し、大型バスなどに対応した駐車場も新たに設けた。施工は北島建設、コバック、小松組が担った。
高砂町44の41にある入江・高砂貝塚館は展示スペースのレイアウトを変え、W造、平屋、延べ166m²を増築した。展示スペースは床をかさ上げしてフラットにし、展示台や解説パネルを設置。増築部には体験学習スペースを置き、正面玄関も移設した。
展示改修設計を歴史環境計画研究所、増築を高清水建設・リフォーム成田共同体、電気を福岡電設、機械をヒロセ配管設備が担当した。
21日に現地で開いたオープニングセレモニーでは、真屋町長らがテープカットした。
町社会教育課では「入江・高砂貝塚に理解を深めてもらいたい」と話している。(室蘭)
(北海道建設新聞2021年7月27日付11面より)