
世界のトップランナーが夏の札幌を駆け抜けた
東京五輪の札幌開催が8日の男子マラソンで終了した。秋元克広札幌市長は10日、報道陣の取材に応じ、マラソン・競歩競技に関して「長時間の交通規制など皆さんの協力で札幌の美しい街並みを世界に発信することができた。(発信する)絶好の機会になった」と振り返った。
東京五輪の札幌開催については、7月にサッカー、8月5―6日に競歩、7―8日にマラソンが実施された。
秋元市長は参加した選手について「無観客開催という非常に難しい環境だったが、素晴らしいパフォーマンスを発揮してもらい、市民の記憶に深く刻まれるとともに未来を担う子どもたちに夢や希望を与えた」と述べた。
また、女子マラソン会場を視察していた国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と会談したことを明かした。
バッハ会長は、マラソン・競歩競技の運営に感謝したほか、札幌の印象について素晴らしい街、きれいな街と評価。秋元市長は「夏を含めて十分開催能力があると評価を頂いた」と説明した。
マラソン競技では、夏の市内各所を世界のトップランナーが駆け抜けた。金メダルを目指す選手たちの一歩一歩をコースとなった道路が支えた。札幌市財政局発注の公園東通線旭山公園米里線―南14条中央線間ほか2線舗装路面改良を施工した道路工業の幹部は「舗装に携わった道路を世界のトップランナーが走った。テレビで見て感無量だった」と話した。
秋元市長は2030年の冬季五輪招致に向け、「東京五輪は開催意義などをあらためて問われた大会だった」とし、「今後の持続可能な五輪の開催がどうあるべきかを考えながら、日本オリンピック委員会との協議を進めたい」と述べた。
(北海道建設新聞2021年8月11日付10面より)