稚内で日本初の医薬品配送ドローン実証実験

2021年11月09日 08時30分

 AI活用やドローンのマネジメントシステムなどを担うBIRD INITIATIVE(本社・東京)やANAホールディングスなど5者は4日、9―10月に稚内市で実施したドローンを活用した実証実験の成果をリモート方式で報告した。今回の実験では日本で初めて医薬品配送や空港内への物流用ドローンの離着陸、複数の飛行計画を調整する分散管理型運航管理システムを用いることができたと発表した。

稚内空港で離着陸したドローン(ANAホールディングス提供)

 今回の実証実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からパーソルプロセス&テクノロジー(本社・東京)が受託したロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)のうち、地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証の一部として実施。

 実証実験した2社に加え、アインホールディングス、日本電気、北海道経済産業局が参加した。

 ドローンの効率的な活用には目視外での飛行が必要とされるが、現在は山間部や離島、過疎地域のみで認められている。政府は2022年度をめどに有人地帯での目視外飛行(レベル4)の実現を目指している。この目標実現に向けて17年からDRESSプロジェクトが実施されている。

 今回の実験内容は6月に策定されたドローンによる医薬品配送に関するガイドラインに沿った運航、航空定期便が就航する空港内への物流用ドローン離着陸、国際標準化が進む分散管理型運航管理で、いずれも日本初となる実験。密漁監視を目的とした夜間目視外での技術検証やアザラシの頭数把握も実施した。

 医薬品配送では稚内病院からオンライン診療を受けた後、アインホールディングスが調剤とオンライン服薬指導を実施したと想定し、ANAホールディングスがドローンで中央地区から北部へと輸送した。稚内空港ではドローン物流と航空物流連節を検証するため定期便の合間を縫って空港敷地内外で飛行を実施した。

 分散型運航管理はこれまで全飛行計画情報と動態情報を集約する集中型の運航管理を用いていたが、欧米で標準化が進む複数の運航管理機能を相互に接続する分散型運航管理を取り入れた。

 これらの実験の結果を受け、信田光寿ANAホールディングスデジタルデザインラボドローンプロジェクトディレクターは「医薬品配送の手順書といった配送管理やシステムを回せた」と評価。さらに「実装するには利益を出せる事業モデルを構築することが必要」と述べた。(稚内)

(北海道建設新聞2021年11月8日付8面より)


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