気球に乗って宇宙へ 岩谷技研が研究開発

2022年01月01日 09時00分

宮古島で実験 最終目標は1人100万円の宇宙旅行実現

人用気密キャビンと岩谷社長

 札幌のベンチャー企業が「気球での宇宙旅行」の実現に向けて研究開発を進めている。北大出身の岩谷圭介社長が2016年に設立した岩谷技研(本社・札幌)だ。「開発が順調に進めば来秋には有人の宇宙飛行試験ができそうだ」と話す。最終的な目標に掲げるのは、1人100万円の宇宙旅行だ。

 同社が開発しているのは、ヘリウムガスで浮かぶプラスチック気球。成層圏でも人が乗れる気密キャビンを宇宙まで運ぶために30人以上の研究者が関わる。キャビンや制御系の基本特許を取得するなど技術や素材の面で障壁は無く、現在はキャビンの大型化に取り組む。

 「(高度25―30㌔という)星空と太陽がきれいに見えて丸い地球も見下ろせるベストな高度」(岩谷社長)での宇宙旅行を計画する。時速20㌔ほどで1時間かけて上昇、2時間ほど宇宙に滞在して再び1時間かけて地球に戻る想定だ。サービス展開当初の料金は数千万円を見込むが、将来的には1人100万円まで下げたい考えだ。

 会社設立時は、岩谷社長が個人で手掛けていた「風船による宇宙撮影」が主事業だった。宇宙に運べる重さが増えるうちに有人宇宙旅行の可能性を見いだした。

宮古島で高度28㌔に気球を打ち上げた

 18年に気密水槽に入れた熱帯魚を高度25㌔まで打ち上げ、生きたまま帰還させた。その後も70以上の機体を打ち上げ、研究を進めた。気象条件の良さから実験の舞台はほとんどが沖縄の宮古島だ。6月には人用気密キャビンを高度28㌔まで無人飛行させるなど、開発を推進している。

 22年3月には50―100mの低高度で有人飛行をする予定だ。そこからは高度延長や安全性の確認など「地味ながら大切な作業が続く」。順調にいけば同年秋には有人宇宙飛行を実現できると見込む。

 現時点で累計6億円の資金調達により開発設備や人員を拡大。11月には札幌市内で本社とは別に研究開発拠点を開所したほか、22年早期に江別市内で工場を開所予定だ。

 社員やアルバイトなどスタッフは45人で、20―30代の若い世代が中心。事務職から研究開発まで「人手はまったく足りていない」といい、気球宇宙旅行の実現に向けて意欲ある人材を募っている。

(北海道建設新聞2021年12月23日付3面より)


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