産油国が小幅増産へ オミクロン株懸念
12月の道内ガソリン価格は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟産油国で構成するOPECプラスが小幅増産の方針を決めたほか、オミクロン株の感染拡大が世界経済に及ぼす懸念から、値下がり基調にある。シーズン入りした灯油は11月に大きく値上がりしたが、12月は修正局面を迎え値下がりに転じている。
ガソリンや軽油の石油製品が値下がり傾向にあるのは、世界的な原油価格の下落が要因。2日のOPECプラス閣僚級会合で、現行の減産縮小を2022年1月も続けることが決まり、売りが中心となるなど先物市場が反応した。足元では、イングランドが新型コロナ対策の行動規制を強化するなど、オミクロン株の感染拡大による経済影響への懸念も売り材料に働いている。
アジアで指標となる東京市場の中東産ドバイ原油は2―8日の間、68.8ドルから74ドルまでの範囲で推移した。油価高騰のピークだった10月下旬83㌦前後に比べて10ドルほど安い。対米ドルの為替は112円98銭から113円57銭を付け、横ばいにある。
原油相場の下落を背景に石油元売りの特約・販売店向け卸価格は12月第1、2週と下がり、道内のガソリンスタンドも販売価格を徐々に修正した。民間の価格調査会社によると、23日現在のレギュラーガソリン平均価格は159円。札幌や旭川、函館など販売激戦区のセルフ式スタンドは大勢で150円台前半を付ける。
灯油も12月に入り、ジリジリと値下がりしている。資源エネ庁のまとめによると、20日現在で店頭売りは1L当たり110.9円、配達売りは113.7円だった。11月までは上げ基調だったが、12月は石油元売りの卸価格が下がったことで修正局面を迎えた。
日高管内の石油販売業者は「灯油価格は今の110円台が天井だと思う。12月第3週は卸価格が上がったため再び上げ基調にあり、年末年始は大きな動きがなく手堅く推移するのでは」とみている。
(北海道建設新聞2021年12月27日付3面より)