耐震補強と老朽改善
北広島市は、史跡旧島松駅逓所の改修に2024年度に着工する考えだ。耐震補強と老朽改善が目的。22年度に基本設計、23年度に実施設計を進める。展示内容も見直し、史跡の価値を分かりやすく伝える。史跡公園など駅逓所以外の施設整備は25―27年度に実施する計画。総事業費に数億円を見込んでいる。
島松1の1にある駅逓所(W造、平屋、延べ332m²)は明治以降、最も早く設置された主要道沿いの駅逓所として1984年に国が史跡に指定した。
市が27日に公表した整備基本計画案によると、整備に当たり①エントランス②駅逓所主屋③駅逓所主屋周辺④中山久蔵の事績⑤庭園⑥憩いと触れあい⑦便益施設―の7エリアに分類。①―⑤が史跡指定地、⑥、⑦が指定地外となっている。
②の主屋エリアにある駅逓所は、耐震補強と破損している土台や屋根、外壁などを補修。展示関係ではケースや照明を更新するほか、デジタル技術を導入して見やすい環境を整える。
遺構がある③の駅逓所主屋周辺エリアは、防犯・防災対策の強化やライトアップ設備を設ける。④の中山久蔵事績エリアでは、蓮池の護岸部の修繕や栽培床を改修する。
史跡指定地のうち、駅逓所がある主屋エリアを優先して22―24年度に整備する考え。残るエリアは25年度の実施設計、26年度の施工を見込む。
指定地外に当たる⑥の憩いと触れあいのエリアには史跡公園を造成し、休憩のための設備を用意する方針。22―24年度の検討を経て、25―27年度に設計や工事を進める。
⑦の便益施設は駐車場やトイレなど利便性向上につながる整備を想定。整備スケジュールは今後決める。