サラリーマン川柳

2022年01月31日 09時00分

昭和の名作詞家阿久悠さんはひところ、「ニュース短歌」を日記に書き付けていた。自分でなく出来事を題材にした短歌である。生きているとつらいことや悲しいことはあるが「ベショベショ湿ったものを書く」のは嫌。その時に起きていた事実を盛り込むことで、過去をたどれるようにしたそうだ。『ただ時の過ぎゆかぬように』(岩波書店)に記していた

 ▼状況を笑いのめすこちらもそれと似たようなものだろう。ことしも第一生命「サラリーマン川柳」(第35回)優秀100句が決まった。6万2657句から厳選された作品を紹介したい。「あっ、マスク!降りた階段また登り」花園の迷宮。今やマスクなしは重罪の感さえある。コロナ禍は今回のサラ川最大のテーマだ

 ▼「初出社入社二年で初対面」永利庵。学生もそうだが、人と会う機会を徹底して奪われた若者たちは気の毒である。「やっぱりね亭主出勤留守がいい」妻の本音。仕事をしているとはいえ、夫が家にいるといつものペースは崩されよう。いつものサラ川らしい、日和見主義な会社への皮肉たっぷりの作品も一つ。「SDGs掲げた我が社持続せず」千流迷塵。流行に飛びつき人も金も掛けたものの資産を食いつぶしただけで終わったか

 ▼「娘とはアクリル板より厚い壁」ちく。この句に深く共感するお父さんもいたに違いない。身につまされる。最後はコロナ禍ならではの切ない句を。「スクスクと育つ孫見るスマホ越し」遠方のジイ。優秀100句は同社HPでどうぞ。ベスト10を決める投票も3月18日まで受け付けているそうだ。


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