現場発泡ウレタン断熱 原液不足が深刻

2022年02月02日 17時10分

メーカー各社、受注停止 設計変更、工期延長求める会社も

 現場発泡ウレタン断熱工事用の原液不足が一段と深刻な状況にある。1月中旬以降、材料メーカー各社が受注停止を表明し、工事業者の手持ち在庫が底を突いているため。施主や元請けに設計変更や現場休止、工期延長を求める会社も出ている。吹き付けウレタン断熱は仕上げ工事の先頭で、休止は後工程のボード内装や水回りなどの仕事に影響を与える。材料メーカーの多くは受注の停止期間を明示していなく、混乱は当面続きそうだ。

 日本ウレタン断熱協会は1月27日、A種1Hと呼ばれる吹き付けウレタン断熱工事用の原液が受注停止にあると発表した。道内の断熱工事会社によると、材料メーカー各社が一部製品の受注停止を申し出ているという。

吹き付けウレタン断熱工事用の原液A種1Hが入手困難になっている

 A種1HはHFO系発泡剤を用いた原液で、熱伝導率0・026以下と断熱性に優れる。積雪寒冷地の北海道はA種1Hが主流。熱伝導率0・034以下と断熱レベルが一段下のA種1メインの本州に比べ、受注停止の影響は大きい。

 吹き付けウレタン断熱工事用の原液不足は、HFO系発泡剤メーカーの米国・ハネウェル社が2度のハリケーン被害を受け、工場の生産停止に追い込まれたのが原因。日本国内では昨年11月に問題が表面化した。

 材料メーカーの受注停止を受け、元請けに工期延長や設計変更を求めるなど、道内の断熱工事会社は対応に追われている。進行中の工事の遅延を少しでも減らすため、物件や部位によっては入手可能なA種1に切り替えることで急場をしのぐ会社も。「同様の断熱効果を出すにはA種1Hより厚く吹かなければならないので、設計より壁が厚くなってしまう。建具や暖房機器の納まりが悪くなり、1m²当たりの単価も高くなるが、当面はA種1に頼らざるを得ない」といった声も聞かれる。

 資金繰りを懸念する経営者も出ている。現場が止まると売り上げが立たない一方、商社や販社への支払いは待ったなしでやって来るので、これまでの余剰金を切り崩して対処するしか方法はない。「持ちこたえられても半年」と話す施工業者もいる。

 先々の材料価格の上昇も懸念する。既にハネウェル社はHFO系発泡剤の値上げを打ち出していて、A種1Hの受注体制が正常に戻っても価格上昇は避けられないとみられている。

 道央圏の断熱材施工会社は「自然災害の不可抗力が原因なので、ハネウェル社も材料メーカーも断熱工事会社も全て被害者。早く正常な受注状態に戻ってほしい」と訴えている。


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