室蘭建管は2022年度、日高町内を流れるパンケヌシ川の砂防2事業で、2号堰堤改築と流木捕捉工新設に着工する見通しだ。21年度補正予算で措置された2億円を繰り越す。2号堰堤は緊急改築で計画する堰堤4基の1基目、流木捕捉工は通常砂防の初弾となる。通常砂防では22年度に6号堰堤新設に向けた砂防指定地の申請も予定する。
ともに18年度に事業化した。緊急改築は、右岸の各支川出口に設けている1号(堤長27m)、2号(53m)、3号(42・5m)、4号(42・7m)の各堰堤を改築する。補正分を除く22年度以降の残事業費は5億6800万円となっている。 通常砂防は、16年の台風10号で下流の274号占瀬橋などに土砂、流木が流出したことから既設堰堤区間の前後に流木捕捉工と6号堰堤を新設する。補正分を除き22年度以降に5億2000万円の事業費を残す。
流域は国有林で左岸にパンケヌーシ林道がある。緊急改築では施工場所へ行くのに川を横断する必要があるため、20年度から1・2号堰堤の改築に向けた工事用道路の整備を進めてきた。
堰堤4基の改築後の概要は1号が堤長43・2m、堤高9・5m、2号が堤長82m、堤高10m、3号が堤長64m、堤高9・5m、4号が堤長42・7m、堤高7・5mとする計画。21年度繰り越し分では既設1号の土砂撤去と2号の前庭を一括して6月にも公告する。
通常砂防で計画する流木捕捉工は堤長181m、堤高6・5m。中央部の84mが鋼製スリットとなる。21年度繰り越し分は右岸袖部の37mを5月にも公告する。
通常砂防ではこのほか、最上流に堤長148m、堤高13・5mの6号堰堤新設を構想する。22年度に建設地の砂防指定地申請をする予定。堰堤建設によりパンケヌーシ林道の現道が遮断されるため、堰堤左岸部を乗り越える形で付け替える。延長は1600m、全幅は現況と同じ4mとする。
緊急改築、通常砂防とも24年度の完了を目指している。