札幌市は17日、さっぽろヒグマ基本計画の改定に向けた検討委員会の第2回会合をオンラインで開いた。人の生活圏とヒグマの生息域を分ける「ゾーニング」について、多くの人が住む市街地ゾーンと、農業の盛んな市街地周辺ゾーンの中間に「準市街地ゾーン」を新たに設けることなどを協議。市民に分かりやすく普及啓発する方法を探った。
市は生物多様性の保全を前提に、ヒグマとのあつれきを軽減することで、市民生活の安全確保を図りながら共生を目指す。
近年、市街地や住宅地でヒグマの出没・捕獲事例が相次いでいることから、改定計画(2023―27年度)では市街地侵入抑制策の充実や全市への計画対象拡大を図る。
会合では準市街地ゾーンの設置ついて協議。委員からは、市街地と森林が近接する札幌の地域特性を盛り込むべきという意見や、耕作放棄地の増加によりヒグマの生息域が広がっているという指摘もあった。
加えて、過去のヒグマ出没状況や地形、誘引物などの要素を考慮して出没危険度を表す「ハザードマップ」の作製について議論。広域版を市で提示した後、地域版を地域単位で作製することも視野に入れる。
協議を続けて素案をまとめ、市議会に報告する予定。12月のパブリックコメントを経て、23年3月下旬の公表を目指す。