大樹町とSPACE COTAN(本社・大樹)は22日、札幌市内で北海道スペースポートトークイベントを開いた。北海道スペースポート(HOSPO)として、人工衛星用ロケットを打ち上げる射場整備の着工が目前に迫る中、行政や経済界の代表が本道での宇宙ビジネスや宇宙版シリコンバレーの可能性と期待を語った。

HOSPOがもたらす効果を説く酒森町長(左)
第1部は「宇宙×地方創生 北海道が世界の宇宙ビジネスの聖地になる未来を語る」というテーマで行政関係者が登壇した。酒森正人大樹町長はロケットに適した十勝の気候風土、35年積み上げたノウハウなどを強みに産業集積を目指す考えを強調。「大樹町のためという枠は既に超えている。北海道のため、日本の航空宇宙産業のために大きな役割を果たす」と決意を述べた。
北海道経済産業局の池山成俊局長は「地元や経済界の理解も大きな強み」と評価し、人材育成などで支援していく考えを伝えた。北海道開発局の橋本幸局長は帯広広尾道路や十勝港整備など、「物流基盤の強化で役割を果たす。シリコンバレーを形づくるために需要を勉強していく」と話した。
第2部は経済団体や民間企業の代表が話し手となり、「オール北海道で、宇宙版シリコンバレーをつくる」というテーマで語り合った。北海道経済連合会の真弓明彦会長は「ゼロカーボン北海道との掛け合わせで、さらに注目されるエリアになる」と本道らしい取り組みを要望。北海道商工会議所連合会の岩田圭剛会頭は、「いままで想像できなかったマーケットが形成される可能性がある」と宇宙ビジネス発展に期待を込めた。