釧根管内市町村の22年度予算案

2022年02月28日 17時42分

普通建設事業費は18%減の282億円 根室市は新庁舎建設に着工

 釧根管内市町村の2022年度予算案が出そろった。一般会計に占める普通建設事業費は17.5%減の282億2007万円で、釧路市や鶴居村での大型事業の発注完了が影響した。一方、広陵中長寿命化改良の着工を予定する中標津町は6割、昆布森地区の公共施設などの集約を計画する釧路町は2割増えた。根室市は新庁舎建設の本体着工を予定する。

 総額は1.5%増の3920億7732万2000円、一般会計は1.2%増の2375億7487万7000円となった。

■釧路管内

 釧路市 新ごみ最終処分場整備関連を前年度に発注したことから、発注ベースでの公共事業予算は15億5000万円減の121億4000万円となった。市立釧路総合病院の緩和ケア病棟改修や阿寒湖温泉地区の公住まりも団地A棟新築、春採生活館建て替え、阿寒丹頂の里エリア再編の初弾となるRVパーク整備などに着工する。また、仮称・第8魚揚場実施設計などに取り組む。

 釧路町 一般会計は過去最大の101億900万円となった。昆布森地区にある公共施設などを集約し、高台に複合施設として新築を計画。22年度は基本計画を策定する。継続事業の別保小増改築に1億8600万円を計上したほか、1億2800万円を充て仮称セチリ地区防災交流センターを改修する。

 厚岸町 多目的屋内スポーツ施設新築に1億3183万2000円、大型防災備蓄倉庫新築に1億3458万5000円の工事費を措置したことで予算額が増加した。老朽化している生活改善センターを津波避難施設に改築するため基本設計に着手する。

 浜中町 丸山散布地区に津波避難施設として高台を造成するほか、総合文化センター改修に取り掛かる。それぞれ実施設計費を計上した。町民からの要望が強い公住茶内団地新築と霧多布団地改修に合わせて事業費4億9200万円を充当した。

 標茶町 標茶中防音改築や中央学校給食共同調理場改築などの本体工事完了が影響し、普通建設事業費は11.4%減の26億6370万7000円。継続の茅沼地区観光宿泊施設改修に9億5872万3000円、アイヌ交付金を活用した旧塘路駅逓所改修などに9286万2000円を確保した。新規で合葬墓建設の調査設計を盛り込んだ。

 弟子屈町 地熱発電の実現を目指す構造試錐井掘削調査の22年度分として12億5609万円を計上。公住敷島団地L棟と鐺別団地4号棟の新築などに約4億9000万円を措置した。仮称・地域観光交流拠点施設新築や弟子屈ワイナリー新築、川湯保育園移転改築の設計費なども盛り込み、一般会計、総額とも過去最大規模に膨らんだ。

 鶴居村 新総合体育館本体工事の発注を終えているため、普通建設事業費は43.6%減の11億1453万5000円。新総合体育館は10月の供用開始予定で、外構整備費に1億909万7000円を確保した。庁舎機能改善には1億5457万2000円、鶴居中大規模改修に向けた基本・実施設計費に5923万円を積み上げた。

 白糠町 継続の白糠小中ほか統合に19億714万円を計上したことなどが影響し、普通建設事業費は2割増の40億6470万6000円となった。乳呑公園改修に1億2800万円、旧チセの増改築に1億800万円を投じるほか、白糠駅前広場整備として8693万円を充て、基本設計やバスターミナル解体などを進める。移転改築を計画する恋問館は2590万円を計上し、DBO方式による公募準備を進める。

■根室管内

 根室市 一般会計は1.1%増の210億4500万円と過去最大規模。新庁舎建設費に6億6263万4000円を充て本体に着工する。このほか仮称・花咲港ふるさと会館新築に3億5392万1000円を投入する。落石小、落石中改修は1199万円を確保して実施設計に取り組む。

 別海町 施設が完成した生涯学習センター整備は、22年度に南側の外構を進め10月のフルオープンを目指している。普通建設事業費は36.7%減の26億9000万円と落ち込んだが、酪農工場整備に1億1200万円を投じ、老朽化した電気設備の改修を進める。別海中央小改修の基本構想策定、中央公民館解体実施設計などを盛り込んだ。

 中標津町 広陵中長寿命化改良の着工を予定していることから、普通建設事業費は63.8%と大幅に増えた。事業期間は3カ年で、校舎と体育館の全面改修を計画。初年度分の事業費として11億6964万9000円を計上した。夏休みに仮設校舎に引っ越し、工事に取り掛かる予定だ。

 標津町 サーモンパーク施設整備や旧焼却施設解体の発注を終えたため、普通建設事業費は51.2%と大きく減少。下水道管理センターの機械電気改築更新には3億5600万円を計上した。老朽化した図書館の移転を計画し、実施設計費に750万円を充てる。

 羅臼町 防災行政無線デジタル化更新の2年目として2億円余りを確保したほか、21年度に発注する公住緑町団地B―1号棟新築の工事費約1億8700万円を計上。役場庁舎1階ロビーに暫定移転している図書館を整備するため、町内既存施設の改修基本・実施設計に取り組む。


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