
中心市街地の新たな顔となる5棟の建物がそろった
イトーヨーカドー移転から24年
イトーヨーカドー移転から24年、事業発表から6年、着工から3年。アルファコート帯広西3・9地区開発(本社・札幌)が進めてきた帯広市中心部の再開発が完了した。2月28日に最後の建築物となる立体駐車場が完成。店舗やマンションなど新しい建物が並ぶ中心市街地に、帯広経済発展への期待がかかる。
1998年に帯広中心部にあったイトーヨーカドー帯広店が郊外に移転。空き店舗は約20年にわたって所有者が二転三転し、さまざまな計画が浮かんでは消える状況が続いた。
流れが変わったのは2016年。アルファコートが店舗を取得し、帯広市西3条南9丁目周辺の2haで再開発を展開すると発表した。18年からは店舗と隣接する市営駐車場などを解体し、新施設に着工した。
20年4月に帯広経済センタービルと200台収容の駐車場棟が完成。10月に竣工した19階建てのマンション「ザ・タワー帯広」は住戸147戸が1年足らずで完売した。
21年11月には旧帯広経済センタービル跡地に建設した店舗棟「帯広西3・9スクエア」が完成。コンビニやスポーツ施設のほか、9日には帯広初進出となるコメダ珈琲店がオープンする。
2月28日に事業最後の建築物となる立体駐車場「登寿パーキング」が竣工を迎えた。約20年の空白を経て、市中心部に全5棟の新施設がそろった。
帯広市の米沢則寿市長は「何年にもわたるプロジェクトだったが、大きな変更や遅滞なく終えられて安心した。帯広の発展、まちなかの活性化を考える上で間違いなくプラスになる」とし、「これからの帯広に対する期待感で、いろいろな企業が立地してくれれば可能性が広がる」と展望した。
アルファコートの樋口千恵専務は「コロナ禍の影響もあったが、無事に全て竣工できた」と関係者に感謝。再開発を機に新しいまちづくりが広がることを期待する。(帯広)