上川管内23市町村の22年度予算案

2022年03月07日 17時08分

普通建設事業費422億円 一般会計は3%増、3261億円

 上川管内23市町村の2022年度当初予算案が7日、出そろった。総額は2.1%増の5276億6193万円、一般会計は2.5%増の3261億1133万円とそれぞれ前年度を上回った。同会計の普通建設事業費は0.2%減の422億8245万円。東川町の仮称キトウシ保養施設新築、旭川市の豊岡小改築、名寄市の智恵文小中改築など建築系を中心に大型物件が予定される。

 普通建設事業費が突出したのは7割増の東川町、6割増の士別市と名寄市、4割増の美瑛町など。士別市は国営農業農村整備の償還金による増額だが、それ以外は大型の建築・土木を盛り込んだことで事業費が増大している。

 中部では総額の大半を占める旭川市が、継続の総合庁舎と千代田小改築に加えて、豊岡小改築にも新たに着工。大きく事業費を伸ばした東川町はキトウシ保養施設新築に20億円超を充てるほか、当麻町は小中学校の空調改修にも着工する。

 南部は上富良野町が防災無線整備によって普通建設事業費が増額。美瑛町は道路改良・舗装など土木系事業を多く積み上げ、大雪葬斎組合の火葬場建て替え負担金で一般会計も増大している。

 北部は名寄市が骨格編成だが、智恵文小中を統合する改築や南保育所改築といった大型物件の工事費を盛り込み全体的に増額。下川町も浄水場の改築工事費を措置した。

 土木系では旭川市が継続の忠和6条道路の拡幅に1億8000万円を投入。美瑛町は美園村山線道路改良舗装など1億円を超える舗装事業を予定し、東川町は萬二橋架け換えの上部に着工する。

 委託では、旭川市が永山西小改築の実施設計、石狩川浄水場管理棟など上下水道施設改築の設計費を計上。中富良野町は小中学校を統合する改築実施設計に着手し、上川町は認定こども園の実施設計費を盛った。上富良野町は、町立病院改築の実施設計費を盛り込む。

 22年度市町村予算案の建設事業動向は次の通り。

旭川市
 総合庁舎建て替え千代田小改築など大型の継続事業に加え、豊岡小改築の費用を盛り、除雪費も排雪回数の倍増政策を継続するため普通建設事業費が2割増に。永山西小改築の実施設計にも着手する。上下水道は下水処理センター発電機棟、亀吉ポンプ場沈砂ポンプ棟、石狩川浄水場管理棟で建て替えに向けた設計を進める。

士別市
 国営農地再編整備事業の償還金に7億5301万3000円を充てたことから普通建設事業費が6割増加。市民文化センター外壁改修には1億906万円を計上した。

名寄市
 2カ年で施工する南保育所と智恵文小中学校の建て替えに着工。22年度施工分として南保育所には7億6608万8000円、智恵文小には3億9654万9000円を充てた。

富良野市
 骨格編成。スポーツセンターメインアリーナ耐震化に向け、耐震診断に着手する。2カ年目の市道清水山線移転には5億2236万4000円を計上した。

鷹栖町
 鷹栖汚水中継ポンプ場の汚水ポンプや電気設備の更新に1億3000万円を措置した。野菜団地の整備には3720万円を計上した。

東神楽町
 21年度に着工した複合施設整備の継続費で、高い水準が続いている。新規では大雪葬斎場建て替えの負担金を盛ったほか、同葬祭場新墓園舗装なども進める。

当麻町
 避難所指定施設6カ所と小中学校への空調設備設置に2億7571万1000円を計上。防災備蓄拠点の基本・実施設計にも着手する。

比布町
 北町令和団地の建て替えが一時終了したため減少に転じた。同団地B棟の外構や新町団地解体のほか、役場など総合庁舎の基本構想見直しに着手する。

愛別町
 橋梁とトンネルの長寿命化に7949万7000円を措置。公住ストック改善には2465万1000円を計上した。

上川町
 認定こども園の用地購入と実施設計に合わせ3142万5000円を計上。公住旭町望岳団地の建て替えには1億3165万6000円を充てた。

東川町
 仮称キトウシ保養施設新築に21億9700万円を措置したことで、普通建設事業費が大幅に増加した。

美瑛町
 新規で置杵牛川改修に伴う藤野橋架け換えの詳細設計に着手。継続で美園村山線改良舗装に1億5000万円を措置した。

上富良野町
 町立病院改築と子どもセンター移転改築、公住泉町南団地建て替えの3事業で実施設計に移る。

中富良野町
 一般廃棄物最終処分場延命化の2カ年目に9203万8000円を計上。中富良野小・中改築の実施設計も盛った。

南富良野町
 町長辞職に伴う骨格編成で、普通建設事業費が10分の1に縮小。町有林整備のほか、富良野広域連合負担金として給食センター床改修費を計上している。

占冠村
 役場庁舎が入居する総合センター改修に設計と工事合わせ6974万円、橋梁点検32橋に2763万2000円を充てた。

和寒町
 骨格編成のため建設系事業が減少。リサイクルセンターのストックヤード・計量棟新築に6600万円を措置した。

剣淵町
 新規で町道元町東団地1条改良の測量調査設計に着手する。3カ年で施工する1線橋補修の22年度分には3530万円を計上した。

下川町
 林道矢文東線開設の全体計画調査と測量設計に新規着手する。下川浄水場建て替えの22年度施工分に4億4726万円を措置した。

美深町
 設計・施工一括で事業者を公募する町職員住宅1棟8戸の建て替えに1億1170万円を計上。継続の北1丁目道路改良260㍍に1億1724万円を充てた。

音威子府村
 橋梁長寿命化修繕で滝の上橋の架け換えに5100万円を充てる。村営アパートの外壁改修にも着工する。

中川町
 新規では町道大富旧国道線改良の概略設計などに着手。賃貸住宅8戸を新築する事業者に対して費用を助成する制度には3200万円を投じる。

幌加内町
 中央公民館の耐震改修に4920万3000円を計上。継続では下幌加内線改良に1億8300万円を充て、延長601mを整備する。


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