普通建設事業費122億円 沓形小改築着工費盛る
宗谷管内10市町村の2022年度予算案が出そろった。一般会計に占める普通建設事業費は、前年度当初比(利尻町、礼文町は肉付け補正後比)23.8%増の122億4256万1000円。浜頓別町、礼文町を除く8市町村が前年度を上回った。特に利尻町は63.4%、中頓別町は54.8%と大幅に増加。主な事業では利尻町が沓形小改築の着工費を措置したほか、枝幸町は認定こども園に着工、中頓別町は中頓別浄水場設備更新に取り掛かる。委託関連では利尻富士町が火葬場建て替えの基本・実施設計に着手する。
枝幸町と浜頓別町は町長選を控えた骨格編成となった。予算総額は3.1%増の1185億5727万7000円で、一般会計は3.8%増の749億1280万2000円となった。
主な事業を見ると、利尻町の沓形小改築は新校舎の規模がRC造、2階、延べ1344m²。本体は22―23年度で建設する。枝幸町の認定こども園はW造、平屋、延べ1352.23m²。23年度の供用開始を目指す。
各市町村の主要事業は次の通り。
稚内市
23年度以降に市役所庁舎や稚内中移転を控えているため、大型の新規事業はなかった。継続分では緑・富岡環状通街路整備2工区の延長278m改良に4億1724万4000円を充てた。稚内庁舎新築には実施設計費などに1億5773万1000円を計上している。
浜頓別町
公住日の出団地8号棟建設に1億円を計上。W造、平屋、延べ259m²、2DK4戸の規模。既存の39号棟解体にも550万円を充てた。林業専用道安別第3支線分線開設には5330万1000円を計上し、延長970mを整備する。
中頓別町
中頓別浄水場設備更新の着工費として3億5000万円を充て、機械と電気設備を更新する。下下水道管理センターほか電気・機械設備更新に1億1240万円を措置した。
枝幸町
21年度に実施設計を終えた認定こども園新築の着工費8億6383万円を計上した。建設地は枝幸町三笠町1484の1で、規模はW造、平屋、延べ1352m²。国保病院大規模改修は1億4500万円を充て機械室冷暖房設備改修や照明設備LED化、衛生設備改修を予定する。
豊富町
取水井さく井として導水管布設や井戸上屋設置などに9687万7000円を充てている。稚咲内生活館建て替えに向けた実施設計に1321万1000円を計上した。稚咲内生活館は老朽化に伴う建て替えで、23年度の着工を目指す。
礼文町
公住大備団地建て替え1等4戸の建設に1億2200万を盛り込んだ。同団地は1棟当たりW造、2階、延べ307・7m²、スキー場整備は富士見ケ丘と久種湖畔の2カ所が対象で、大雨被害などによって荒廃や掘削された箇所に暗渠や土留めを設置し改修するもの。
利尻町
22年度から2カ年で現地改築する沓形小の着工費として9億円を計上。新校舎の規模はRC造、2階、延べ1344m²。本体は22―23年度で改築、既存校舎北側の一部を解体し、その箇所から建設を進める。神居1号線道路改良舗装には5800万円を盛り込んでいる。
利尻富士町
鴛泊地区の火葬場である葬苑を移転新築する基本・実施設計、用地地盤調査に3400万円を計上している。町道改良として鴛泊中央線や鴛泊市街9号線などに着工する。葬苑移転新築は、鴛泊と鬼脇両葬苑の老朽化に伴うもの。鬼脇葬苑はこれまで通りしばらく運用し廃止する。
猿払村
児童館新築の着工費1億2925万円を計上している。閉鎖した鬼志別保育所に浜鬼志別保育所を統合したことに伴い、施設が手狭となったことからW造、平屋、延べ234・76m²の児童館を新築する。このほか給食センター改築に向けた実施設計に2870万円を盛り込んだ。
幌延町
町道3条仲通線道路改良に3375万4000円を充て着工するほか、同駅前仲通線道路改良として延長252mの実施設計に1696万2000円を計上している。総合スポーツ公園改修には4167万9000円を措置し、野球場外構補修やバックネット修繕に取り掛かる。