先週水曜、16日の全国紙朝刊に出ていた明るくにぎやかな広告に目が止まった。タイトルは『#青森ぽかぽか総選挙』。1ページの紙面に所狭しとメッセージボードを持った県民たちが並ぶ
▼コロナ禍の今は楽に旅ができる雰囲気ではないが、歓迎の気持ちは伝えておきたいと、県が「おもてなしの公約」を募集したのだという。「気軽に旅できる日々が、早く戻って来ますように」との願いが込められているそうだ。では公約を見てみよう。弘前市津軽藩ねぷた村は「あずましい青森で待ってるはんでの~」、深浦町黄金崎不老ふ死温泉は「身も心もあたためます」、鰺ヶ沢町の主婦は「秘伝!ニシン漬けレシピ教えます!」。魅力的な申し出ばかりである
▼まだまだ続く。ご当地仮面ヒーロー東北英雄アテルイは「かっこいいヒーローショーみせます」。何と戦うのだろう。佐井村の保育園児は「なのくつの雪をほうきで落としませう」。何とかわいいことよ。眺めていると青森に行きたい気持ちが湧いてくる。それを実現できるのもそう遠いことではなさそうだ。政府が観光支援策「Go To トラベル」再開にじわりとかじを切りつつある。その先触れとして、都道府県の住民向け旅行割引支援「県民割」を4月1日から、地域ブロックに拡大する方針なのだとか
▼日頃の感染防止策とワクチンを下支えに、最後まで動きを止められていた観光産業もようやく動き出せる。18都道府県のまん延防止等重点措置もきのう、全て解除された。各地で「ぽかぽか総選挙」が始まろう。あまり過熱はせぬように。