本道から石狩、上士幌、鹿追 環境省が脱炭素先行地域選定

2022年04月28日 09時00分

太陽光発電設備導入で企業誘致など

 環境省は26日、脱炭素先行地域の第1回選定結果を公表した。地域選定は、2022年度に創設された地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を受けるために必要なもの。ことし1―2月の第1回募集に応募した全国79件の計画案から本道の石狩市、上士幌町、鹿追町を含む26件を選んだ。石狩市は石狩湾新港エリアでの太陽光発電設備導入などの企業誘致推進、上士幌町は採択された市町村で唯一町全域を対象にするとともに、EV、PHEVの公用車導入を宣言。鹿追町は北鹿追バイオガスプラント1500kWの導入、自営線ネットワークの拡大が評価された。

石狩市の石狩湾新港地域

 脱炭素先行地域は、30年度までに民生部門の電力消費でCO₂排出実質ゼロを目指すと同時に、運輸部門や熱利用などを含む他の温室効果ガス排出削減も30年度目標に整合する削減を地域特性に応じて実現する地域。選定されると、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金による支援を受けることができる。

 本道で選考された市町村を見ると、石狩市は札幌圏に近い石狩湾新港エリアで太陽光発電設備の導入と地域内の木質バイオマス発電設備を活用した特定送配電事業によって、集積が見込まれるデータセンター群をはじめ誘致企業全てに再エネ供給を図る。

 また石狩市役所と周辺にある図書館、保健福祉センターなど5施設に太陽光発電設備などを設置、将来的にはマイクログリッドの導入につなげる。

上士幌町のバイオガスプラント

 上士幌町は、町内全域を対象に地域電力会社「かみしほろ電力」を通じてバイオガス発電、太陽光発電、卒FIT電源から再エネ供給することで脱炭素化を図る。公用車全てをEV、PHEV化に更新することも打ち出した。

 鹿追町は、役場周辺と瓜幕、然別湖、エネルギー供給、公共施設群の5エリアに分け、エネルギー供給エリアでは、1500kWの北鹿追バイオガスプラント新設、役場周辺で自営線ネットワーク拡大などを計画している。

 石狩市は20年12月、上士幌町は21年12月、鹿追町は21年3月にそれぞれゼロカーボンシティ宣言をしている。

 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金は、脱炭素先行地域づくり事業への支援として脱炭素先行地域の選定を条件とし、再エネ設備導入、蓄電池や自営線など再エネ利用最大化の基盤インフラ整備や省CO₂などの設備導入のほか、削減効果を高めるためのソフト事業を対象に、1地域に対し最大50億円を交付する。事業期間はおおむね5年間。

鹿追町の中鹿追バイオガスプラント

 22日に記者発表した環境省道地方環境事務所の桜井洋一所長は「本道の3件は都道府県では最大。今回の結果を参考に、夏ごろの第2回募集に応募する自治体のフォローアップに取り組みたい」と話した。先行地域は全国で100件以上を設ける。

 ゼロカーボン北海道実現に取り組む鈴木直道知事は「ゼロカーボンの実現に向けて弾みをつける大きな一歩。第2回に応募予定の市町村に地域の合意形成の取り組みなど積極的な支援を行う」とコメントした。


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