薬品実験など研究室 イノベーション拠点構築に向けても調査
札幌市経済観光局は、化学などの分野で装置や薬品を使って実験するための研究室となるウェットラボの環境構築に向けたニーズ調査に着手する。加えて、スタートアップなどのイノベーション拠点構築に向け、求められる機能を調べる。これらの調査結果を基礎資料とし、今後のレンタルラボ誘致などに生かす考えだ。
市は健康医療・バイオ分野やIT分野などのスタートアップ育成に力を入れている。ウェットラボ機能としては北大ビジネススプリングや札幌市エレクトロニクスセンターなどがあるが、満室や空きが少ない状況だ。
バイオ分野は薬品を使った実験などが多く、研究に使用する薬品などをこぼした場合でもすぐに水で洗い流すことができるよう床をウェットラボ仕様とすることや、吸排気設備完備など施設の制約がある。
今回の調査では、ウェットラボ機能を備えた新たなレンタルラボ施設の市内への誘致検討に向け、入居者となる企業ニーズを把握する。
先端的な研究・開発機能の地方設置の動向調査や先進事例のヒアリングを予定。加えて、ビジネススプリング入居企業や北大構内で新たにスタートアップを狙う研究者、北大と共同研究する道外企業のニーズ把握を見込む。
ヒアリングでは施設の仕様や広さ、部屋数、賃料などを調査。これらを踏まえ、必要な規模や宿泊などニーズの高いオプション機能、施設に期待する実験レベルのほか、事業性の検討や運営・施設整備を担う事業者に対するサウンデング調査を計画する。
一方、イノベーション創出拠点構築のニーズ調査で首都圏と地方の拠点施設を対象にヒアリングし、札幌市内に新たな拠点を構築する際の施設機能などを分析する。
同局は24日付で関連業務を公募型プロポーザル公告。参加意向申出書を7月11日、企画提案書を同20日まで受け付けている。予算規模は税込み1700万円で、履行期間は2023年3月15日までとする。