参議院選の投票日当日に用事が入りそうなため、先の日曜日に札幌市の最寄り区役所で期日前投票をしてきた。気温が30度を超える一日で一番暑い昼の時間帯だったが、訪れる人は引きも切らず。なかなかの盛況である
▼投票を済ませて会場を出ると、今や恒例となった報道各社の出口調査が大挙待ち構えていた。隙を見せると調査員が次々と目の前に立つ。きりがないので数社に答え、調査票を縫うように外へ出た。盛況との印象は間違いではなかったようで、全国でも期日前投票は好調らしい。総務省が都道府県の選挙管理委員会を通して期日前投票の状況を調べたところ、前回3年前の同時期と比べ20%以上も増えていたそうだ。3日までに全有権者の7.39%に当たる778万6881人が投票を済ませているという
▼今回に限って10日の投票日に用事のある人が大勢出現したわけではあるまい。投票日を期限として、それまでの行けるときに行っておけばいいと幅を持たせて考える人が増えたのでないか。毎日新聞出版の『平成川柳傑作選』にこんな一句を見つけた。「落としたい人を書くなら率上がる」広沢澄風。中には最近の物価高騰に腹を立て、一日も早く抗議の一票を投じたかった人もいたろう。理由はどうあれ当日面倒になって行かないよりずっといい
▼ただ、過去の傾向を見ると期日前投票が好調でも最終投票率は低いことが少なくない。あまり関係がないのである。日本が正念場を迎えている今、一票の価値はいつにも増して重い。最終投票率も上げて民意を政治に突きつけたいものだ。