保存や道路拡幅など 観光資源に有効活用
森町は史跡鷲ノ木遺跡整備の基本計画をまとめた。遺跡群の保存やアクセス道路などの整備を施し、観光資源としての有効活用を図る。2022年度は環境調査を進め、27年度の一般公開を目指す。
鷲ノ木町にある同遺跡は北海道縦貫自動車道建設時に発見された。道内最大級規模の環状列石や竪穴墓などが見つかったため、06年に史跡に指定。指定面積は約8.2haに上り、21年に世界遺産に登録された北海道・北東北の縄文遺跡群とも深い関係があると見られている。
現在は町が管理しているが、一般公開していない。遺跡までのアクセス道路が未整備で大型バスの運行が困難なほか、案内施設がなく、観光資源として有効活用できていない。
風雨による遺跡の毀損(きそん)の進行を抑える措置をしていないことから、保存状況が十分ではないなどの課題がある。
このため、遺跡につながる未舗装道路の拡幅や路面整備、案内・資料展示施設の新設、遺跡の保護、排水施設の設置を施す。
22年度は環境調査や遺構調査、23年度は基本設計を進め、25年度に着工したい考え。総事業費は未定だが億単位に上ると見られる。
27年度の一般公開後、2次、3次整備計画の作成も検討している。