ニセコ町は、ニセコ高寄宿舎「希望ケ丘寮」の再整備を検討している。建て替えが有力で、専門委員会による議論を経て年度末までに方向性を定める。順調にいけば2023年度から2カ年で基本、実施設計を進め、25年度に施工する。
町立のニセコ高は緑地観光科に農業と観光を学ぶ2コースを置き、1―3年生の男女56人が在籍する。近年は入学者が定員の40人に満たないことが多く、特に20年度は9人にとどまったことから町は6月に魅力化検討委員会を設置。有識者や教育関係者からの意見を基に、高校の存続と発展に向けた取り組みを進める。
寄宿舎再整備は魅力を高める施策の一つと位置付けている。20年から北大建築計画学研究室と基礎調査を進めていて、11日には方針などを議論する専門委員会(会長・野村理恵北大大学院工学研究院准教授)を設置した。
有島3の47にある寄宿舎はW造、2階、延べ611m²の規模で、1989年に完成した。寮生16人が暮らしているが、設備を中心に老朽化が進む。男女の生活スペースが棟で分離されていないほか、浴室や洗濯室を共用しているなど課題もある。
27日に開いた専門委員会の初会合では委員から「町民とも触れ合えるようなスペースがあると良い」「単なる寮ではなく付加価値を持つ施設を目指しては」といった意見が挙がった。
専門委員会は22年度にあと2回開き、管理運営や施設機能の在り方を協議する。23年度は2回の会合で空間設計の詳細などについて話し合う予定だ。