地下鉄で猛毒サリンをまく無差別テロを実行し、多くの人を死傷させたオウム真理教のことはこの先も長く忘れられることがあるまい。そのテロの端緒となったのが住宅街で起こした松本サリン事件だった
▼オウムも捜査線上に浮かんだものの断固として疑いを否定。警察は手を引かざるを得なかった。今では誰もが真実を知っている。オウムはやっていないとうそをつき、裏で着々と大規模テロの準備を進めていた。疑いを組織への不当な攻撃だと猛反発し、相手がひるんだ隙にさらなる悪事を企む。オウムのようなカルトに限らず、過激派や暴力団など反社会集団の常とう手段だろう。そんな卑劣な手をすぐ隣の国も使っていたのだからあきれるほかない
▼韓国海軍駆逐艦が日本の海上自衛隊P―1哨戒機に火器管制レーダーを照射した2018年の事案の後、当時の文在寅政権がその対応を積極的に続けるよう命じる指針を作成していた事実が明らかになったのである。韓国紙「中央日報」が先週伝えていた。照射は交戦も辞さないとの構えを敵に伝える危険な行為だ。韓国海軍は当初全面否定。自衛隊が証拠を突きつけると、威嚇されたため対抗措置を取っただけとうそを認めた。しかも裏では文政権が〈よくやった、今後も続けよ〉と衝突リスクをさらに高めていたのだ
▼指針の適用は日本のみで、中国やロシアは対象外。いかに反日色の濃い文政権でも、準同盟国を狙い撃つこのやり方は常軌を逸している。さて新政権はどうするのか。反社方針を維持するなら付き合い方はやはり考えざるを得ない。