国土交通省は、上士幌町に対して、地域公共交通確保維持改善事業費補助金として上限額1億4000万円の交付を決めた。同町の自動運転実証調査事業への各経費に充てられる。
同補助金は、地域の暮らしと産業に不可欠な交通サービスの確保・充実に向けた取り組みを支援。幹線バス交通などの運行を守るに当たり、地域間交通ネットワークを形成する幹線バスの車両購入、過疎地域などのコミュニティーバス、デマンドタクシー、自家用有償旅客運送の車両購入、貨客混載の導入などを補助する。
また、鉄道駅などのバリアフリー化、公共交通の利用環境改善、地域鉄道の安全性向上や、地域公共交通計画などの策定などを促す。
上士幌町は2020年10月から、郊外・過疎地域型のMaaS導入に向けた実証実験を開始。福祉バスのデマンド化による利用促進や商品配送への活用、町内向けの自家用有償旅客運送制度、物流業者による貨客混載などに取り組んできた。
21年度はハンドルのない自動運転バスの冬季運行に関する実証実験を実施。21年12月15―19日の間、バス1台で1日当たり20便運行した。
この実験で用いた車両はNAVYA社製のARMA。時速20km未満で走行した。今回の補助金は自動運転バス1台の購入、バス車両の車庫設置になどに使用する見込みだ。