北朝鮮やウクライナ情勢受け
札幌市は24日、北朝鮮が発射したミサイルが本道を通過したことや、ウクライナに侵攻するロシアからの武力攻撃に備えるため、市営地下鉄の全駅と地下街オーロラタウンなど55カ所を新たに緊急一時避難施設に指定した。市は有事に際し、「一時避難施設や頑丈な建物に避難するなど状況に応じた行動を」と市民に求めている。
緊急一時避難施設は、Jアラート(全国瞬時警報システム)発動後1、2時間ほど滞在するもの。シェルター設置などの改修などは伴わず、現状の施設を使う。対象は、指定済みの学校など公共施設187カ所を含め計242カ所となった。
指定に当たり、市交通局と乗客の安全確保や市民の避難人数など対応を審議。地下街オーロラタウン、ポールタウン、アピアの3カ所は、民間施設管理者に協力を得た。地下歩道2カ所、地下駐車場1カ所も選定した。
国は武力攻撃時、爆風などからの被害を軽減するため2025年までに地下施設を緊急一時避難施設の対象に拡充することを各自治体に求めている。市は21年1月に札幌駅地下歩行空間や北1条地下駐車場を指定した。
これで札幌市の人口(1日現在)197万人に対し、約100万人が身を寄せる施設を確保した。市は今後も必要に応じて、大規模施設や堅牢な施設を緊急一時避難施設に指定していく方針。