富良野市、再エネ導入ポテンシャル算定 CO₂削減量最大年8万t

2022年09月01日 16時55分

中小水力やバイオマスなど

 富良野市は、再生可能エネルギーの導入ポテンシャルを算定した。中小水力とバイオマス、雪氷熱、太陽光を合わせ、二酸化炭素(CO₂)削減量は最大で年8万700tに上る。この最大値に近づけるよう再エネ導入を進め、森林吸収や各家庭の省エネ対策も推進。2050年のゼロカーボン実現に必要な年間14万7000tのCO₂削減を目指す。

 市は21年4月にゼロカーボンシティを宣言。21年度から2カ年で、再生可能エネルギー導入目標の策定に取り組んでいる。業務はエヌ・ティ・ティ・データ経営研究所に委託している。

 このほど21年度の調査結果として、市のCO₂排出量と再エネのポテンシャルをまとめた。50年時点のCO₂排出量は年間14万7000t。太陽光パネルに換算すると、削減するためには23万8000枚分が必要になる規模の量だ。

 部門別に見ると、家庭部門の5万3000tが最多で、運輸部門の5万t、業務その他部門(ホテルや事業者)の2万7000t、産業部門の1万8000tと続く。

 これに対し、再エネによるCO₂削減量のポテンシャルもまとめた。中小水力では、3万7200tを削減できる可能性がある。現在、市内の小水力発電は麓郷など一部地域に限られているが、他の中小河川でも導入見込みがある。一方で郊外から市街地へ供給する場合を考慮すると、送電の課題解決が必要になる。

 太陽光発電のポテンシャルは1万500tの削減量。公共施設では、一部の学校や下水処理施設に導入しているが、さらに利用拡大を図る。市民への普及も目指し、導入の障壁を下げるための支援も強化する方針。一方で、景観との調和の観点から農地より既存建物への導入を推進する。

 バイオマスの削減量は最大2万1100t。固形燃料化推進や未利用木材の活用が鍵を握る。市では紙などを固形燃料化しているが、市外への販売が多いため、市内で利用拡大を目指す。

 雪氷熱では1万1900t削減できる可能性がある。農作物の保存といった用途での活用方法を探る。

 市は今後、調査結果を踏まえ、具体的な取り組みとしてロードマップの素案を作成。22年度末にパブリックコメントを募集し、成案化する計画だ。


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