トイレなど整備 24年度以降に着工
札幌市は、老朽化が進む円山バスターミナルのバリアフリー改修を計画している。これまで建て替えを含めて検討してきたが、地下鉄の円山公園駅や一体となっているテナントへの影響を考慮し、内外部の改修にとどめる。1―2階のエレベーター設置やバリアフリートイレの整備を見込み、2023年度の設計と24年度以降の着工を目指す。
中央区大通西27丁目183の187にある円山バスターミナルは1976年の建設でRC造、地下1地上2階、延べ2665m²の規模。1階のバス待合室と2階の店舗からなる。
老朽化対策として民間施設との合築による建て替えも検討してきたが、地下施設への影響で解体や建設費用が増大することなど採算性の低さが課題となり、改修によって老朽化とバリアフリーに対応する方針を固めた。
バリアフリー改修は、1―2階にエレベーター1基を設置し、地上階にバリアフリートイレを整備する。現在トイレは1階になく、2階に老朽化した市営バス民営化前の交通局職員用トイレがあるのみ。移動円滑経路として必要な出入り口・通路幅の確保、段差解消なども検討する。
市まちづくり政策局は、2日付でバリアフリー化に関する検討業務を一般競争公告した。履行期間は23年3月24日まで。27日の開札を見込む。
改修に当たっては、20年度の老朽化対策に関する調査検討結果と建物長寿命化の観点を踏まえた上で、地下鉄に影響がないよう工法を検討。バスターミナルを運営しつつ、店舗も入居したままの改修を想定している。
受変電、発電、電灯といった電気設備のほか、空調や換気など機械設備の改修、屋上防水や外壁、内部躯体、天井修繕、内装、設備改修に伴う建築工事を対象に検討し、概算工事費を算定する。
市は円山バスターミナルのほかにも北24条バスターミナルのバリアフリー改修を視野に入れていて、エレベーターの設置などで対応する見通しだ。