国土交通省は、2022年都道府県地価調査(7月1日時点)の結果を公表した。21年7月から1年間の全国の地価変動率は、全用途平均でプラス0.3%となり、3年ぶりに上昇した。用途別では商業地が3年ぶり、住宅地は1991年以来31年ぶりの上昇となった。三大都市圏では東京圏と名古屋圏に続き、大阪圏で住宅地、商業地がともに下落から上昇に転じた。新型コロナウイルス感染症の影響で弱含んでいた土地需要が回復傾向にある。
住宅地では都心部や生活利便性の優れた地域で地価が上昇、上昇範囲も拡大した。一方、商業地も個人消費の持ち直しの動きから店舗需要が回復傾向にあり、堅調なマンション用地需要やオフィス需要とも相まって全国平均で上昇へ転じた。
住宅地は全国で上昇率が0.6ポイント拡大。前年のマイナス0.5%からプラス0.1%となった。三大都市圏全体では横ばいだった昨年からプラス1%と上昇に転じた。東京圏はプラス1.2%(1.1ポイント増)、大阪圏はプラス0.4%(0.7ポイント増)、名古屋圏はプラス1.6%(1.3ポイント増)となった。
地方圏は前年のマイナス0.7%からマイナス0.2%となり、下落幅が縮小。地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)はプラス6.6%(2.4ポイント増)と上昇が継続した。
商業地も上昇率が拡大。全国平均が前年のマイナス0.5%からプラス0.5%と上昇に転じた。三大都市圏は、前年のプラス0.1%からプラス1.9%と上昇傾向が続いた。東京圏はプラス2%(1.9ポイント増)、名古屋圏はプラス2.3%(1.3ポイント増)と上昇が継続し上昇率も拡大。大阪圏はマイナスに転じた前年(マイナス0.6%)から一転、プラス1.5%とⅤ字回復した。
地方圏はマイナス0.1%と3年連続の下落となったものの、下落幅が縮小した。地方4市はプラス6.9%と10年連続で上昇、上昇幅も拡大した。
地価が全国最高の明治屋銀座ビル(東京都中央区)はマイナス0.5%と3年連続で下落したが下落幅が縮小。大阪圏で最高価格となったグランフロント大阪南館(大阪市北区)も前年のマイナス4.7%からマイナス2.2%と下落幅が縮小傾向となった。名古屋圏では大名古屋ビルヂング(名古屋市中村区)がプラス2.2%と上昇を維持した。