道東の宿泊施設不足に新たな一手 フロント棟にはサウナも完備

冬の凍った水の色をイメージした外装
高橋工業(本社・別海)は4日、コンテナ型宿泊施設「HOTEL KUTEKUN」を中標津町内でプレオープンする。近年人気が高まるサウナをフロント棟に完備。素泊まり利用の需要を満たすとともに、道東地域の宿泊施設不足の解消を目指したい考えだ。
同社は2019年から多角化の一環としてコンテナ事業に着手。酪農従事者ら向けの住居「スムノア」を提供していた。中標津町内に気軽に使える宿が少ないことから、宿泊業に参入した。
建設地は道道川北中標津線沿いの東39条北1丁目1。JIS規格の奥行40フィートのコンテナを利用し、宿泊棟は9棟あり、広さ約14m²のセミダブル12室、広さ約28m²のツイン5室、同規模で車いす利用が可能なユニバーサルツイン1室の計18部屋。各室ユニットバス付きで、トイレ、テレビ、冷蔵庫などを設置した。
コンテナは昨年の9月に発注し、あらかじめドアや窓の部分に穴を開ける加工を施して海外から輸入。宿泊施設はことし4月に着工した。設計は今井設計(本社・中標津)、デザインはソーコム(同・札幌)が担当した。
コンセプトは「Easy Stay Hotel」。低価格で最低限のサービスと、洗練されたリラックス空間の両立を図る。タブレットを使用したチェックインのため、フロントは無人とした。
ホテル名の「KUTEKUN」は町内にあるクテクンの滝から命名。ホテルカラーは滝をイメージした。外装は冬の凍った水の色、内装は落ち着いた青を基調としている。
フロント棟にはサウナを設置。サウナの温度は100度を超え、同時に8人まで利用できる。水風呂は井戸水をくみ上げ、そのまま使用。水温は約13度となっている。
高橋宗靖社長は「道東地域で宿泊施設の不足が地域課題となっている。コンテナなら自由に移動が可能で、2次利用や3次利用が可能。コストを抑えて暮らす場所を提供できる」と新たなサービスに期待をしている。