特産品開発とダム施設有効活用

涼しいリムトンネル内に自社製品を運んだ
帯広開建帯広河川事務所は9月30日、札内川ダムのリムトンネルでチーズと日本酒の貯蔵・熟成を始めた。北海道開発局が進める「かわたびほっかいどう」の一環で、4月のコーヒー豆熟成に続く第2弾。地元の飲食品を地元のダムで寝かせることで、新たな特産品の開発とダム施設の有効活用につなげる考えだ。
これまで右岸リムトンネル(延長56・8m)は、資材などを置く倉庫として活用。1年を通じて8度前後の低温を保つため飲食品の貯蔵や熟成に適している。
今回協力したのはチーズ工房の十勝野フロマージュ(本社・中札内)と酒蔵の上川大雪酒造十勝碧雲蔵(同・帯広)の2社。ダムを活用した貯蔵・熟成に興味を持って自社製品を坑内に搬入した。
十勝野フロマージュは800gのエダムチーズ28個と4kgのゴーダチーズ16ホールを用意。坑内に置くことで、うま味が増してこくが深いチーズができる。熟成期間は1―2カ月で、早ければ年内に販売する予定だ。
赤部順哉社長は「ダムの語源はオランダにあり、今回は当地を代表するチーズを選んだ。語呂が良いので『ダムエダム』という名前にすれば、面白い商品になるだろう」と期待する。
一方、十勝碧雲蔵は4合瓶(720mL)で6600本の日本酒を貯蔵した。大吟醸、純米吟醸、山廃純米の3種類。杜氏(とうじ)の若山健一郎さんは「一定の環境で貯蔵することで、味が落ち着いて深みが出る」と話す。数年間貯蔵する考えで、確認しながら最高の状態で提供する。