福島町は有害鳥獣処理施設の新築を計画している。町内ではエゾシカによる食害などが問題化。近隣町と共同で建設する案が出ていたが、早期の対応を図るため単独で整備する。2023年度に実施設計と工事を進め、24年4月の供用開始を目指す。
近年、同町ではヒグマに加えエゾシカが急激に増え、農作物への食害や踏み荒らしなどの被害が深刻化。浦和地区など海岸沿いを中心に森林の樹皮被害も出ている。21年度のエゾシカ捕獲数は前年度比35%増の110頭に上り、今後も捕獲数の増加が見込まれている。
法律上、有害駆除により捕獲したエゾシカは「適切な処理が困難な場合を除き、捕獲した場所に放置してはならない」とされている。このため、駆除員の負担が大きく、有害駆除や解体処理作業の軽減が課題となっている。
同様の問題を抱えている渡島西部4町(松前、福島、知内、木古内)で建設する案が出ていたが、広域事務組合規約の改正や各町議会での調整に時間がかかると判断し、福島町単独での実施を決めた。
建物はW造、平屋、延べ約200m²の規模を想定。23年6月の実施設計着手、24年3月の完成を予定する。
総事業費は6880万円を試算。実施設計に400万円、工事費に5500万円、ミニホイールローダー1台など備品購入費に800万円をみている。
建設地は千軒31の1の渡島西部広域事務組合衛生センターの敷地内とする。稼働当初は町単独での運営を想定しているが、松前、知内、木古内の3町からの有害鳥獣も受け入れる方向で検討。将来的には渡島西部広域事務組合での管理を目指している。