30年以降 他施設との集約視野
札幌市スポーツ局は老朽化した美香保体育館について、2030年以降に移転整備する方針だ。カーリングやスケートのアイスリンク整備を含め、市有他施設との集約複合化や交通アクセスの良い立地を検討する。地域への波及効果も考慮して詳細を詰める。
同局スポーツ部の酒井直人施設計画担当課長が、20日の市議会第2部決算特別委員会で小須田ともひろ氏(自民党)の質問に答えた。
同体育館(本館=RC造、2階、延べ6267m²)は1971年の建設。夏季は体育館、冬季はスケートリンクとして利用し、市が招致を目指す30年冬季五輪・パラリンピック練習会場への活用も見込む。
現在地の東区北22条東5丁目は第2種中高層住居専用地域。現施設は既存不適格の状態にある。
策定中の基本計画で移転候補地や整備する機能をまとめ、年度内に案を整理する。候補地は現時点で5、6カ所を挙げている。集約複合化に関しては他施設の機能を新施設に集約するか、新施設を他施設の近隣に立地させるかなど手法を探る。
不足が指摘されるアイスリンクについても新施設での機能強化を検討。22年度に取り組んだ市内のカーリング場やスケート場の利用状況調査に基づいて課題を整理し、市内各リンクの役割を踏まえて解決を目指す。
集約複合化によるスポーツ振興の相乗効果や、経済への波及効果などに期待。整備効果を地域活性化につなげる考えだ。
市は21年度策定のスポーツ施設配置活用実施方針で、新しいニーズや不足する競技機能の必要性を検討し、既存施設の改修や更新に合わせて確保すると示した。他の体育館更新でも集約複合化の効果を発揮できる配置を念頭に、立地などを決める構えだ。