ドラゴンボールの世界観で職員の頑張りを数値化する―。十勝総合局東部耕地出張所は、職員の名札に「戦闘力」を記載する試みを9月からスタートした。職員14人のやる気を引き出すことが目的。これまでの経験や努力、スキル、業務改善の取り組みなどを独自の基準で数値化し、「戦闘力」と表現した。成長を実感できる仕組みをつくり、仕事に対する自信につなげるのが狙いだ。
鳥山明さん原作の少年漫画「ドラゴンボール」を参考に、杉原浩二所長が中心となって構想を練った。相手の強さが見える眼鏡型の装置「スカウター」に着目し、職員のスキルなどを数字で表すアイデアを採用。人目に付きやすいことから、首からかける名札の右上に戦闘力を記載した。裏は通常の名札になるため、TPOに合わせて使い分けられる。
戦闘力は、基礎力、プレゼン能力、コミュニケーション能力、チャレンジ能力の4項目で評価。若手は数百点からスタートする。数値に上限はなく、5000以上の職員もいる。杉原所長は「若手はベテランを追い越すことを目標に業務にあたってもらえれば」と望む。
戦闘力の数値は月に一度更新。上司が業務改善などの取り組みを評価する。こっそり業務改善しても点数アップには結びつかないのがポイントだ。杉原所長は「良い取り組みを知ってもらうことを意識すれば、自然と所内に広がる」と狙いを話す。名札の空きスペースには、点数アップを示す矢印を貼り付け、一目で頑張りが分かるようにした。
職員同士で気軽に「それ、いいね」と言い合える職場環境が理想で、堅苦しくならないよう気を付けている。それぞれが向上心を持って新しいことにチャレンジすれば、楽しくスキルアップできるとする。杉原所長は「9月は全員の戦闘力が上がり、組織的に強くなった。年度末まで続け、みんなで成長したい」と期待する。