札幌市は18日、2023年度の予算要求概要を明らかにした。一般会計の要求総額は、22年度当初比5.6％増の1兆2269億円。4月に市長選を控えた骨格編成としながらも要求額は過去最大となった。うち戦略ビジョン推進関連費に119事業で279億円、新型コロナウイルス感染症対策関連費に25事業1533億円を積み上げた。

　里塚斎場再整備の調査検討や新たな公共交通システム検討などを新規で挙げた。東消防署改築や藻岩高・啓北商高再編新設校の基本設計のほか、仮称・第2児童相談所や仮称・定山渓地区義務教育学校の着工費も計上した。
　12月下旬の市長査定を経て、23年1月下旬に予算案を発表。骨格編成のため、市長選後に肉付け編成可能な余地を残す。

　■主な新規事業

　新規事業は32事業。主なものでは、まちづくり政策局が第2次まちづくり戦略ビジョンに基づく次期中期実施計画策定に2400万円、居心地が良く歩きたくなる都心まちづくり推進に1000万円、都心機能強化検討に1700万円を要求。新たな公共交通システムの調査・検討には5400万円を充てた。

　保健福祉局は障害児・障害者入所施設老朽化対策補助に4億9760万円、里塚斎場の再整備に向けた調査検討費に2500万円を措置。消防局は消防施設感染防止対策として2億6600万円を充て、設備改修などの実施設計を計画する。

　■主要建設事業

　建設局は、道路新設改良費で札幌北広島環状線など9路線に48億2042万円、街路新設改良で屯田・茨戸通など19路線に70億5000万円、篠路駅周辺連続立体交差等整備には4億500万円を計上。橋梁長寿命化は湖水大橋など耐震補強4橋に11億600万円、前田森林公園橋など29橋の長寿命化修繕に21億700万円を求めた。

　このほか、道路除雪に189億3042万円、雪対策施設整備に10億8790万円、公園は総合公園造成に5億2400万円、安全・安心な公園再整備に21億9500万円を措置した。

　まちづくり政策局は札幌駅交流拠点まちづくり推進に77億8500万円、大通公園西周辺エリア土地利用検討に470万円を要望。再開発補助では北8西1地区に20億5800万円、北4西3地区に8億4400万円、新規の北5西1・西2地区に15億7800万円を充てた。

　下水道河川局は雁来川など7河川の整備に14億円、都市局は市住維持更新に60億3100万円、市有建築物保全推進に71億2400万円を計上。スポーツ局は藤野野外スポーツ交流施設第2ロマンスリフト更新実施設計に1500万円、冬季五輪・パラリンピック招致に2億3400万円を措置した。消防局は東消防署の移転改築に伴う用地取得・基本設計に4億1000万円を求めた。

　子ども未来局は第2児童相談所着工費などに2億539万9000円を要求。経済観光局は新展示場整備の事業者公募・選定やアクセスサッポロ施設・用地の後利用検討に27億900万円を計上した。環境局は駒岡清掃工場解体基礎調査に4600万円、同工場更新に継続費で181億9138万6000円のほか、発寒清掃工場更新基本計画策定に1億3700万円を積み上げた。

　教育委員会は仮称・定山渓地区義務教育学校新築の着工費や藻岩高・啓北商高再編新設校、厚別南・青葉地区義務教育学校の基本設計費など学校施設新築に3億5800万円を配分。学校施設改築は明園小などに117億1500万円を要望している。