熱意が人を動かす力 学生時代は読書と運動して
コンビニ大手のセブンイレブンを中心に24時間利用できるATMなどを展開するセブン銀行(本社・東京)の松橋正明社長は9日、母校の釧路工業高等専門学校で同社の事業と学生時代の取り組みなどを主題に講演した。仕事に対する思いとして、周囲の人に熱意を伝える力が必要だと学生らに説いた。
講演要旨は次の通り。

仕事に大切なことなどを学生らに伝える松橋社長
■セブン銀行の挑戦
当社は他の銀行と違い、融資や住宅ローンを取り扱わない。あくまでATMを便利に使いたいというニーズや、外国人向けサービスといったホワイトスペースを狙った。今後は銀行以外のサービス展開も見据える。
ATM端末の開発を手掛けるのも強みだ。本人確認書類の読み取りや顔認証カメラなどを搭載し、セキュリティーを強化した。利用時のプライベート空間を充実させ、操作音や画面のアニメーションにも力を入れて使いやすさを追求。遠隔管理で現金需要や故障を予測して停止率を半減させ、サービズのワンストップ化を実現させた。
今後はキャッシュレス化に対応し、自動処理などの機能を充実させて事業の多角化を図る。海外進出を実現させたい。
■学生時代の過ごし方
ひたすら読書をしてもらいたい。学生時代は、SF小説を読み続けて頭の中で「こんなものが作れるのでは」などと妄想を膨らませていた。また、さまざまな分野の情報を得られるため、読書をお勧めする。
とにかく運動して体を鍛えてほしい。忙しいときや大変なときを乗り越えられるのは、健康な体と持久力だ。リフレッシュできる側面もあるし、経験から言うと、意外とアイデアは運動中に思いつくことが多い。
■仕事に大切なこと
世界初や日本初、もしくは業界初などというレベルで進めないと変革は起こせないと思う。
必要なのは勉強することだ。技術の勉強はもちろんだが、海外でプレゼンを失敗したため、38歳から英語の勉強を始めた。何歳になっても日々勉強することは大切だ。
何かを実現させたいと思うときには、友達やネットワークが重要になる。自分が持つ熱意を伝えることが重要だし、誰かの熱意に共感する力も合わせて持ってもらいたい。対話から自己の存在価値を高め、有言実行を実践してほしい。