札幌市、23年度に方向性まとめ
札幌市まちづくり政策局は、JR札幌駅南口駅前広場改修に向けた課題整理に着手する。北5西1・西2地区など周辺で大規模再開発が計画される中、現状の課題やエリア全体の価値を高めるため、改修の必要性などを検討。方向性をはじめ基本的な考え方を2023年度にまとめる方針だ。
南口駅前広場は広さ約1万9000m²。改修し、「人の広場」として2000年に供用開始して以降、札幌市の顔となっている。JR、市営地下鉄南北線・東豊線、タクシープール、バスターミナルが配置され、交通結節点としての機能も持ち合わせている。
札幌駅周辺では、北海道新幹線の札幌延伸や都心アクセス道路、北5西1・西2地区再開発、これに伴うバスターミナル再整備、北4西3地区再開発などが予定。大規模再開発により地上、地下の重層的な歩行者ネットワークが形成される見込みで、交通結節点や多様な交通機関、歩行空間の利用者を受け止める空間として南口駅前広場の在り方を再検討する時期に来ている。
21年に策定した札幌駅周辺エリア再整備の基本的な考え方では、南口駅前広場、周囲の公開空地、道路空間などがエリア全体で一体感のある公共空間として整備され、来街者が歩いて楽しいまちの実現を方針の一つに掲げている。
同局は5日付で、札幌駅南口駅前広場改修の方向性検討業務を公募型プロポーザル公告。法令上の制限や現状の荷重状況、地下構造物の対荷力などを踏まえ、地上上屋などの撤去や再構築に伴う地下構造物への影響、課題・条件整理、対応策の検討を進める。
また、前回の広場改修の際に整理したコンセプトと現状の利用状況を対比し、解決すべき課題を抽出。その上で、周辺の今後の開発動向を踏まえ南口駅前広場改修の必要性を整理する。今回の業務成果を基に、23年度は改修の方向性を盛り込んだ基本的な考え方をまとめる方針だ。
また、南口駅前広場内タクシープールは、移設に伴う地下構造物への影響対策の検討を別途業務で進めているため、今回の検討対象区域には含めない。
業務規模は税込み810万円を上限に設定。履行期限は3月31日とする。18日まで企画提案書を受け付け、翌19日の書類審査、23日のヒアリング審査を経て、最優秀提案者を選定する。