エリア全体で脱炭素へ
鹿追町は、瓜幕エリアで自営線ネットワークを構築する。範囲は国道274号東側の瓜幕小などで検討。自然体験留学センターをエリア内に移転改築する計画で、Nearly ZEB水準を満たす複合施設とし、エリア全体での脱炭素を目指す。自営線ネットワーク構築と自然体験留学センター改築は一括発注で計画し、入札方式は検討中。2025年度から基本計画、基本設計に入り、27年度の着工、28年度の完成を目指す。
町は22年4月に環境省の脱炭素先行地域に選定された。中鹿追と瓜幕エリアにある家畜ふん尿を活用した集中型バイオガスプラントを核とし、循環型農業とエネルギー自給を両立するまちづくりを目指している。役場周辺と瓜幕、然別湖、エネルギー供給の4エリアで設備導入を集中的に進め、脱炭素化を図る。
瓜幕エリアは、22年1月策定のゼロカーボンシティ推進戦略で、ゼロカーボン交流拠点の創出を目指すとしている。バイオガスプラントや太陽光から再エネを供給するなど脱炭素の取り組みで町外から人を呼び込み、人材育成につなげる。
複数公共施設を結ぶ自営線ネットワークの範囲は、国道274号東側の瓜幕小や瓜幕中を検討。メタンを活用するコージェネレーション発電機や燃料電池自動車(FCEV)、V2H(Vehicle to Home)の導入を計画している。
自然体験留学センターは瓜幕西1の43に位置し、1974年に建設した。W造、平屋、延べ327m²の規模。2人部屋5室やゲストルーム1室、食堂、事務所、1人用当直室がある。87年から留学制度を導入し、全国の小中学生を対象に親子留学やホームステイを受け入れてきた。22年度は小中学生5人が共同生活している。
新施設はワーケーションなど山村留学以外の用途も検討。施設規模や移転先などの整備方針は24年度にもまとめる。感染症対策やプライバシー保護の観点からも議論する。省エネと創エネで従来の建物で必要なエネルギーを25%以下まで削減するNearly ZEB水準を満たす施設とする。
移転候補地は、瓜幕バイオガスプラントに近く、自営線ネットワークと接続できる国道274号の東側を見込む。
25年度に基本計画と基本設計をまとめ、26年度の実施設計を経て着工する計画だ。