高台などへ移動短縮 23年度は未舗装路500m改良着手
豊頃町は、大津地区の津波対策として避難路整備に2023年度から5カ年で3億6000万円を投じる。高台や国道336号へ抜ける道路整備を推進。23年度は道道大津長節線から大津旅来線へ抜ける500mの改良に加え、大津長節線と避難場所のあるトンケシ高台を接続して移動時間を短縮する新ルートの調査設計に着手する。
国が昨年3月に公表した日本海溝・千島海溝沿い巨大地震モデルでは、町に最大22.3mの津波を推測。太平洋沿岸の大津地区では130戸、230人が生活する。11年3月の東日本大震災では、高さ4.4mの津波が押し寄せ、市街地が浸水した。
避難体制整備が喫緊の課題となっている。22年度は地区南西にあるトンケシ高台への避難路を整備。普通車の進入が困難な急勾配を線形改良によって20%から10%緩め、入口を内陸側に100mずらした。
大津漁港周辺から内陸に避難する際は、沿岸の市街地を経由して大津旅来線に抜ける必要があった。大津長節線から大津旅来線へ抜けるルートで500mの未舗装路を改良し、避難時間の短縮を図る。23年度は9000万円を措置して路盤に着工。8月に指名競争での発注を見込む。24年度に舗装して完成する。
調査設計に入る大津長節線からトンケシ高台に抜ける600mのルートは新設する。現在の高台の入口は沿岸にあるが、内陸側に道路を設け、避難時間短縮につなげる。設計後、早ければ23年度から工事に入り、27年度の供用開始を目指す。