AIロボで建廃選別 角山開発が最新機械導入し省力化

2023年04月15日 08時00分

処理能力向上へ

 北清グループで廃棄物収集運搬・処理を担う角山開発(本社・江別)は、建設系の混合廃棄物を人工知能(AI)とロボットで自動選別する最新機械を導入した。現状の作業人員にロボットが加わることで稼働時間を延ばし、リサイクル率の向上を狙う。湯藤学社長は「顧客から預かった廃棄物を少しでも多くリサイクルするのがわれわれの使命。先進的な技術を活用し、顧客から一層信頼される会社にしたい」と話している。

AIロボット選別機の導入で建設系混合廃棄物のリサイクル率60%を目指す

 御池鉄工所(本社・広島県福山市)が開発したAIロボット選別機「ロボセンエース」という機械。江別市角山の建設系混合廃棄物選別プラントで導入した。設備投資額2億3100万円のうち、1億円は道の循環資源利用促進設備整備費補助を活用した。

 コンベヤー上に流れる建設混合廃棄物を3Dセンサーと2Dカメラで撮影して画像から廃棄物の材質をAIが判定する仕組み。判定内容はロボットハンドに瞬時に送られ、位置や角度、重心高さのデータを基に自動で仕分けする。

 ピッキングと呼ばれる人の手を介した選別は15cmほどの大きさの物が取りやすいと一般的に言われ、AIロボット選別機は主に15cm以下の取り残しを補う役割を担う。がれき類や木くずのほか、廃プラはポリプロピレンやポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルと材質ごとに細分化する。

 施設に運ばれた建設系混合廃棄物は、まずバリスティックセパレーターと呼ばれる選別機を介して重量物と軽量物、細粒物の3種類に大別されて、それぞれのラインで処理される。導入したAIロボット選別機は重量物の処理ラインに入り、磁力選別機と風力選別機の処理工程の間に組み込むことで、精度や効率が高まるよう働く。

 プラントでは、新築の建設現場で使わなくなった梱包(こんぽう)材や解体現場のくずをプラスチックや木、紙、非鉄など10種類以上に分別する。廃プラや木くずはRPF(固形燃料)に再利用し、製紙工場などのボイラ燃料に使ってもらう。

 現状、選別施設の年間受け入れ量は約1万1000tで、リサイクル率は40%。将来的には60%まで高めたいと考えている。

 昨今の少子化を背景に、最新機械で省力化を図れば、従来と同じ作業人員でも交代制にすることで稼働時間を延ばせ、時間当たりの処理能力は高まるとみる。先進的な技術を取り入れることで企業のイメージアップを図り、新卒者などの求人につなげたいという思いもある。

 湯藤社長は「角山開発は選別と焼却、埋め立てが事業の3本柱だが、これからはリサイクルを全面的に推進しなければならないと考えている。少しずつ充実させたい」と話している。


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