各社が独自企画展開
4年ぶりに人流制限のない大型連休を控え、住宅メーカー各社は春商戦に向けて集客を図る。大型住宅総合展示場でのファミリー向けイベントなど独自企画で商機を狙う。
北海道セキスイハイム(本社・札幌)の伊藤秀太郎企画推進室室長は「2022年の大型連休中、弊社展示場には全道で1000組が来場した。ことしはそれ以上を呼び込みたい」と意欲を示し、4年ぶりの春商戦に期待する。
STVハウジングプラザを運営するライダースパブリシティ(本社・東京)の岡本誠札幌営業所所長によると、22年の大型連休の集客はコロナ前の19年の7割弱。北海道マイホームセンターは約7、8割程度だった。両展示場ともことしはイベント開催で集客回復を図る。
STVハウジングプラザの各会場ではキャラクターショーと抽選会、SLトレインなどの乗り物展示を予定する。飲食ブースは置かず、ご当地グルメの物産展などを開催する。北海道マイホームセンターはキャラクターショーやワークショップを企画。飲食ブースや乗り物展示は休止する。
各ビルダーも独自のイベントを展開。ホーム企画センター(本社・札幌)は、運営する複合型情報発信拠点「HOME LAB(ホームラボ)」でのイベントや未販売物件の予約制見学会を予定する。古川秀彦事業推進部取締役部長は「見込み客と成約の両方に期待する。既存客の満足度向上を紹介増につなげたい」と意気込む。
住まいのクワザワ(本社・札幌)は、拓北モデルハウスで光熱費応援プランを実施。初来場と成約特典で太陽光ソーラーパネル4kWなどをプレゼントする。
一方、顧客のレジャー優先を想定して催事時期を変えて差別化する動きもある。札幌圏にある住宅メーカーの担当者は「この時期はレジャー優先の家庭が多い」と言う。大型連休以外の4月か5月第2週目以降の時期にイベントを開く傾向もみられる。
札幌市の23年1―2月の新設住宅着工数は、持ち家が前年同期比8.5%減の269戸、建売は28.8%減の141戸(北海道住宅産業新聞推計)。出足は鈍いが、各社は春商戦で住宅需要を喚起する構えだ。