数カ月以内に協議会設置なども予定 促進区域指定に向け準備進む
洋上風力発電の導入促進に向けた道内有望区域のうち、岩宇・南後志地区沖、島牧沖、檜山沖の3区域でエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による海底地盤調査が始まった。地形調査やボーリングをし、民間事業者による設計の基礎資料にしてもらう。今後、各区域では漁業への影響などについて話し合う協議会も設置。最終段階となる促進区域の指定へ準備が進む。
国は5月、石狩市沖、松前沖を含めて道内5エリアを有望区域に選定した。追加調査や協議会での意見取りまとめなどを経て、事業実施の前提となる促進区域に移行する。
岩宇・南後志沖(関係市町村は神恵内村、泊村、共和町、岩内町、蘭越町、寿都町)、島牧沖(島牧村)、檜山沖(せたな町、八雲町、江差町、上ノ国町)の3区域は初期段階から政府が主導的に関与して調査などをするセントラル方式を採用。同じ海域で複数の民間事業者が類似した調査をする不効率な状況の回避が目的だ。
JOGMECが1月に公表した2023年度の調査計画によると、風況、気象海象、海底地盤の3点について調べる。風況、気象海象は今秋から1年間の観測を予定。海底地盤は今夏と来夏に分けて調査する方針で、今夏の調査は6―8月中旬を想定している。
道が公表している環境影響評価の縦覧状況を見ると、島牧沖でコスモエコパワー(最大出力100万kW)、日本風力エネルギー(同60万kW)、北海道洋上風力開発(同58万5000kW)、檜山沖でコスモエコパワー(同100万kW)、電源開発(同72万2000㌔㍗)の計画が挙がっている。
調査と並行して国や道が事務局となり、関係する市町村や漁業協同組合、学識経験者らによる協議会を設置する。漁業への影響をはじめ、地域振興策の検討、施工時の漁船などとの調整について話し合う。今後数カ月以内の設置を予定する。
道によると、道外他地域では有望区域から1―2年で促進区域に指定される例が多いという。