川湯跡佐北地区、同南地区
釧路開建は、弟子屈町内の国営総合農地防災川湯跡佐北と南の2地区で事業計画策定に取り組んでいる。排水路改修や沈砂池整備などにより、低下した既存農業用水路の機能を回復させることが目的。2023年度に策定作業が完了する見通しで、早期事業化が期待される。
町北部に位置する両地区は、夏に気温が上がる内陸性の気候で、釧根管内では数少ない畑作主体の農業が展開されている。
エリア内には1970年代に直轄明渠として整備された鯇川幹線排水路、鯇川支線排水路、湯川幹線排水路の3条6830mと、その支線排水路がある。
しかし一帯は、近隣の硫黄山が象徴するように火山性土壌に覆われ、農地の浸食や土砂流出が発生しやすい。流入した土砂の堆積や法面崩壊などで排水路の機能が著しく低下し、降雨時や融雪時のたん水や過湿が収益力向上を妨げている。
釧路開建は川湯跡佐北地区、南地区の国営総合農地防災事業化に向け、21年度から計画策定や環境調査などを進めてきた。
北地区は鯇川幹線排水路をメインに、支線を含む7条、5800m、南地区は湯川幹線排水路とその支線合わせて4条、5500mの排水路改修を見込む。
基本的にはコンクリートブロック入れ替えなどで本来の断面を取り戻しつつ、支線への沈砂池設置などで流入する土砂量の軽減を図る。受益面積は北地区が469ha、南地区が384ha。
今後本格化する関係機関との協議・調整を経て事業化を目指す。地元は早期整備を求めている。