留萌市が9.9億円 河道掘削などに
留萌建管は、留萌市内を流れるタルマップ川の総合流域防災について、2025年度の着工を目指している。過去の豪雨被害を踏まえ堤防の新設や河道掘削、護岸などを施し流下能力を確保する計画。総事業費は9億9000万円を見込む。23年度は環境調査や地形調査に取り組んでいる。
タルマップ川は、流域面積33.8km²、幹線流路延長18kmの1級河川。小平町と沼田町の境界付近の無名山を水源とし、道道樽真布幌糠線に沿って南南西に流れ、留萌川に合流する。
留萌川合流点から上流約200m区間までは堤防や護岸を施しているが、そこから上流は一部しか護岸整備がされていない。河道内の土砂堆積も顕著で流下能力の低下を引き起こしている。
10年代は豪雨による増水被害が5回発生した。特に18年7月に起きた洪水の影響は甚大で、農地95.6ha、家屋7件が浸水し、過去最大の被害をもたらした。
同建管では18年の被害を踏まえ、流下能力の確保や洪水防止を目指し、20年度にタルマップ川総合流域防災を事業化した。整備計画区間は11km。タルマエ橋梁から上流9.5kmを優先整備区間としている。
事業量は、掘削が延長9.5kmで約20万m³を見込む。築堤1.5km、護岸1.6kmなども計画。整備後の流下能力は毎秒95tを想定している。事業期間は23、24年度の設計で詰める考えだ。