建設業を持続可能にする取り組み、最大限展開へ
北海道開発局の新旧局長は5日、札幌第1合同庁舎で記者会見を開き、これまでの取り組みの成果と今後の展望を語った。柿崎恒美新局長は「インフラの維持管理、災害対応に建設業は必要不可欠。建設業を持続可能とするための取り組みを最大限展開する」と寄り添った。石塚宗司前局長は「今後AI、DX分野が伸びてくる。開発局、建設業者には新しい取り組みに挑戦してほしい」とエールを送った。
柿崎局長は青森県出身で、旧建設省採用。開発局への異動は2018年度からだ。「公共事業は北海道総合開発計画に基づき展開され、日本の発展に寄与することを目的としている」点を他地域との違いとして強調。「関係事業の執行が一番大きなミッションだ」と捉える。
また、地球温暖化に伴う気候変動への対処を重要視する。「本道付近では海洋温度が高まり、他地域に比べ温暖化の影響が顕著だと聞く。これまでの事業に加え、温暖化に対応する治水の検討を進める」とした。
道内建設業が直面する各課題については「新3K(給与、休暇、希望)を実現するため、生産性向上の取り組みを進めたい。国交省は月単位での週休2日を目指している。天候や重機組み立て日数を考慮した工期設定など、改善を図る。資材高騰へは市場価格の調査を行い、適切に反映する」と話した。
次期(第9期)道総合開発計画は23年度内に策定となる見通し。柿崎局長は「8期の柱の『食』『観光』に加え、次期計画では『再生可能エネルギー、ゼロカーボン』を3本目の柱とする議論がなされている。このことについて最大限取り組みたい」と抱負を語った。
4日付で退官した石塚前局長は「任期の1年を振り返ると世界、日本は厳しい状況にあったが、本道開発の意義が見直された年でもあった」と回顧。「関係機関との連携強化が、次期計画の推進や自然災害を乗り越える上で極めて重要だ」と強調した。
建設業界に向けては「建設業者は国土保全のエッセンシャルワーカー。だが課題は山積し、これらを乗り越えなければならない」とし、新分野への果敢な挑戦を願った。