旭川開建が排風連多寄地区で排水路3km改修、2km新設へ

2023年07月14日 17時00分

国営かん排として 500m程度を暗渠化

 旭川開建は、国営かん排として、風連多寄地区(名寄市・士別市)の排水路改修と一部新設に向けて準備を進めている。既存排水路3.1kmを改修し、上流・下流側で合計2.1kmを新設する。国道とJRの横断部は暗渠化を検討する。2023年度は測量設計を進め、24年度以降の着工に備える。総事業費は50億円を試算する。

 風連多寄地区は、水田と畑が入り交じる約650haの農地で、名寄市風連地区と士別市多寄地区にまたがる。水稲、バレイショ、カボチャなどを栽培している。

 地区周辺の農業用排水施設は、1967―86年度に総合かん排天塩川上流地区として整備。風連多寄地区の真狩川排水路は73―77年の建設で、延長は3.9km、タヨロマ川に流れる。

 近年、降雨条件や土地利用の変化による流出量の増加のため、排水能力が不足し、10、14、16年に農地に水が流れ込むなどの溢水(いっすい)被害が生じている。両市は被害のたび市単費で災害復旧した。

 23年度に新規事業採択された風連多寄地区は、10年に一度の降水量を想定し、排水路の改修と一部新設で流量を増加させる。工事による受益面積は810haとなる。

 改修は約3.1kmで、経年劣化に伴う既存排水路の断面改修や排水路の拡幅と両岸をブロックで覆う2面護岸を施す。

 排水路の新設は、上流側で1.6km程度、下流側で500m程度を予定。下流側では国道40号とJR宗谷本線の横断部に対してバイパス水路を新設し、線路と国道の交差部は推進工法でトンネルを掘り、暗渠化する計画。一定の水位に達するとバイパスに水が流れる形状を検討している。

 実施設計は5月に公告済みで、8月下旬に開札する。土地改良法に基づく手続きを終えた後、23年度中に実施設計で施工方法の詳細を詰め、着工時期を決める。

 23年度は測量・設計費として1億円を措置している。全体の工期は10カ年程度を見込んでいるが、予算配分次第で前後する可能性がある。


関連キーワード: 上川 国交省 農業

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • 東宏
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,448)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,284)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,170)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,142)
函館開建が国道5号の常盤川交差部に橋梁新設の可能性...
2024年04月17日 (783)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。