3つの市立保育所、存廃方針をまとめる
旭川市は、新旭川保育所など3つの市立保育所の存廃に関わる検討状況をまとめた。近文保育所は民間移譲と建て替え・改修が妥当と判断しているほか、神楽保育所は新たに立ち上げる保育センターを併設する直営施設としての活用を検討している。新旭川保育所は老朽化と園児数の減少を鑑みて、2024年度末に廃止する方針を維持している。
市は22年3月に保育と市立保育所の在り方に関する方針を策定。特別支援保育や病児ケアなど保育の質を高めるため保育センターの新設を掲げた。近文、神楽の2保育所は民間移譲を、新旭川は老朽化や定員割れといった課題から閉所を検討することにしていた。
ことし2―3月には近文、神楽保育所を対象に事業者から意向を聞き取るサウンディング調査を実施。緑町16丁目の近文保育所(RC造、平屋、延べ611m²)は築40年以上が経過しているため、修繕や建て替えが必要という意見が挙がった。
神楽4条8丁目の神楽保育所(RC造、平屋、延べ607m²)は老朽化の心配はないが、高齢者福祉施設のいきいきセンター神楽との複合施設となっているため、管理運営の分離が困難な点が指摘された。
この結果を踏まえて市では近文保育所に民間移譲の適性があると判断。補助金を交付して建て替えや施設改修といった対策を探っていく。
神楽保育所は新たに保育センターを設置する方針。特別支援保育、医療ケアなどの相談・調整・研修に携わる事業部門の執務室として約50m²、相談室として約30m²の増築が必要と見込んでいる。保育業務は直営で維持し、保育センターの保育部門として医療ケア児保育や特別支援保育の受け入れ、一時預かりなどにも取り組む考えだ。
大雪通7丁目の新旭川保育所(RC造、平屋一部2階、延べ847m²)については園児数が年々減少し、近隣の保育施設に代替可能な空きがあることから、転園や新規入所の調整を図った上で24年度末に閉所する方針を維持している。閉所後の施設や土地の利活用については、別途検討していく。