そば殻を固体燃料に 幌加内町がバイオコークス製造装置導入へ

2023年08月18日 19時05分

 そば産地で知られる幌加内町は、そば殻を固体燃料の「バイオコークス」に再生する製造装置を2023年度中に導入する。製造の低コスト化や運転経費の検証など実証実験に取り組む。3カ年かけて本格的製造プラントを設置し、稼働を始める方針だ。

 同町では、年間約300㌧のそば殻を廃棄してきた。そば殻などを有効利用することで、ゼロカーボン化を進める考えだ。CO₂排出量削減効果として年間約300㌧を見込んでいる。

 そば殻のバイオコークスは、原料をシリンダーに充填し、加圧・加熱・冷却することで固体燃料として生産できる。町は従来から、そば殻やそばのかすを原料としたバイオコークスの製造可能性を検討してきた。

 道のゼロカーボンイノベーション導入支援事業に申請し、認定を受けた。町、JAきたそらち、3社の民間事業者でコンソーシアムを構成し、3カ年で事業に取り組む。

ゼロカーボンの拠点となる旧ライスセンター

 JAきたそらちが所有する振興地区の旧ライスセンターにバイオコークスの製造装置を導入する。本年度中に生産が可能になる予定で、約300㌧を目標としている。3カ年に分けて設備を増設し、実証実験から本格稼働に移る。総事業費は約3億円で、国の補助金と町で負担する。

 他の原料から作るバイオコークスは製造時に乾燥工程があるが、そば殻は不要。従来の製造コストと比較する。併せて、町の公共施設などへの導入可能性を検討する。

 細川雅弘町長は「そばの町の特性を生かしてゼロカーボンに貢献したい」と期待を込める。事業を中心に進めるJAきたそらち幌加内支所の田丸利博代表理事は「そばの面積が全国一というだけでなく環境への配慮も含めて日本一の生産地を目指したい」と意気込んだ。

 


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