室蘭開建は、日高自動車道厚賀静内道路の新冠―静内間で、新たに津波回避ルート案をまとめた。仮称・新冠ICの位置は現行計画から変更はないが、その先のルートを山側へ大きく変更。静内市街で235号に接続するはずだった仮称・静内ICは、内陸部で道道平取静内線に接続することになる。2015年度内に確定させる意向で、この案通りに決まった場合、当初計画に盛り込んでいた静内トンネルなどの構造物も見直す可能性もある。
ルートの現計画案は、235号と道道滑若新冠停線の交点付近に設けられる新冠ICから新冠市街地の北側を通り、新ひだか町静内市街西部の静内ICで235号に接続することになっている。延長は5・4㌔、主要構造物として、延長1290mの静内トンネル、橋長430mの新新冠川橋の整備が見込まれていた。
静内ICを静内市街に設けるとする現行計画は平常時の利便性に優れているものの、整備予定地やルートの一部が道の津波浸水予測範囲に含まれているため、大津波発生時には避難道路として機能しなくなる恐れがある。地元の新ひだか町は、室蘭開建に対しルート見直しを求めていた。
室蘭開建はこの要望を踏まえ、津波浸水予測範囲を極力回避し、ICを範囲外の位置に移す新たなルート案を策定。静内市街地の北側を通過し、静内こうせい町の高静小付近から静内神森の静内第三中付近の間で道道平取静内線と接続するICを設ける。整備延長は1・7㌔伸びて、7・1㌔となる。
室蘭開建はルートの検討に住民意見を反映させるため、学識者、住民・利用者代表、関係行政機関で構成するPI(パブリック・インボルブメント)委員会を1日に設置。初会合の中で現計画案と津波回避ルート案の両案を示したところ、津波エリアを回避する方向で合意した。
今後はルートに求められる機能や選定に当たり配慮すべき事項などについて、アンケートを通して住民意見を聴取する。
10月に予定する次回のPI委員会では、概略計画案を基に従来ルート案と津波回避ルート案を比較検討する見通し。早ければここで委員会としての案を決める。